石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

トランスの権利と人種間平等もとめ数千人が行進 米ボストン

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米国マサチューセッツ州ボストンで2020年6月13日、トランス・ライツと人種間の平等を求めて数千人が行進しました。同国では今、トランプ大統領が、トランスジェンダーの人々への医療差別を禁じたオバマ時代の規制を撤廃しようとしているところです。

詳細は以下。

www.nbcboston.com

ボストンでは今年、新型コロナウイルスのパンデミックのため、半世紀の歴史を持つボストン・プライドのマーチやお祝いは中止となっています。代わって開催されたのが、このトランス・レジスタンス・ヴィジル・アンド・マーチ(Trans Resistance Vigil and March)。参加者らはフランクリン公園からヌビアン・スクエアまで歩いて「黒人トランスの命も大切だ( "Black Trans Lives Matter" )」というメッセージを伝えたのだそうです。映像はこちら。

地元の団体「トランス・レジスタンス(Trans Resistance)」は、マーチの参加者は非白人のトランスジェンダーの人々およびそのアライだったと説明しています。また、「マサチューセッツ・トランスジェンダー政治連合(Massachusetts Transgender Political Coalition)」のエグゼクティブ・ディレクターは、「今プライドがあるのは黒人とラテンアメリカ系のトランスジェンダーの人たちのおかげ」と話しているとのこと。ストーンウォールの反乱で最初に石を投げたのは非白人のトランスジェンダー女性だったということを指してるんですよ、念のため。性的少数者の権利運動も結局は白人シス男性中心になりがちで、この事実は往々にして無視されているので、他の国のマーチでもこんなプラカードで注意喚起されたりしています。

プラカードの文面訳:

オカマたちよ、忘れるな。アンタたちが今通りを歩けているのは、ひとりの貧乏な売春婦の黒人トランスのおかげなんだぞ

話を元に戻すと、この日のボストンの行進では警察の暴力に対する抗議がおこなわれたほか、トランプ政権がトランスの人々を医療差別禁止の対象から排除しようとしていることにも反対が表明されたとのこと。 CBS Bostonは、抗議者のひとり、メガン・アンダースン(Megan Anderson)さんのこんな声を紹介しています。

「黒人の命も大切だ(Black Lives Matter)」運動と、黒人のトランスジェンダーのきょうだいたちへの連帯のもと、わたしたちはここに立っています。……ホワイトハウスには、たった今トランス女性の存在をなかったことにしようとしている怪物がいるのです」

“We are standing here together in solidarity with Black Lives Matter and our black transgender brothers and sisters. … We have a monster in the White House right now who is trying to erase transgender women.”

COVID-19の死者数がわずか3か月で10万人を突破している米国で、トランスの人々を医療の場で差別されるリスクにさらすだなんて危険すぎる。怒りや不同意を表明するために人々が通りに出て抗議する(そう、エルモのパパが説明しているようにね!)のは、当たり前だと思います。