石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『エレンの部屋』元スタッフが差別的な労働環境を告発

Be Kind to One Another - Ellen DeGeneres Quote - Notebook for Ellen Fans - Composition Journal with Lined Pages - 6x9 - Blue - Royal Blue

米トークショー『エレンの部屋』の元スタッフらが、この番組の制作現場では人種差別的なマイクロアグレッションや不当解雇などが横行しており、番組の決まり文句「人に親切に」は実践されていなかったと話しています。

詳細は以下。

www.lgbtqnation.com

元記事によると、元スタッフの人々は同番組の制作現場で以下のような経験をしたと話しているそうです。

  • 黒人従業員がシニア・プロデューサーから、他の黒人従業員と見分けがつかないという趣旨の発言をされた
    • また別のあるライターからは「悪いけど白人スタッフの名前しか知らない」と言われた
    • 人種の問題を持ち出すと無視されたり、拒絶されたり、「ポリコレ警察」と呼ばれたりした。さらに全員に距離を置かれ、昇給も拒否された
  • 自殺未遂で1か月休職した人が復帰しようとしたら、席がなくなっていた
  • 1年の間に葬儀で2回、交通事故で1回休みをとった人も解雇された
  • また別の元スタッフがGoFundMeで自分の医療費を集めようとしていたところ、「エレンのブランドを心配した」上層部からけん責を受け、その後解雇された

『エレンの部屋』のエグゼクティブ・プロデューサーのEd Glavin、Mary Connelly、Andy Lassnerは共同声明を出し、その中で「番組制作のファミリーの中にたとえひとりでもネガティブな経験をした人がいると知って心を痛めている」、「番組の責任は完全に自分たちにある」「改善していく」などと述べているとのこと。

エレンはゲイ・ライツに関してそれはそれは大きな功績がある人だけれど(彼女が1997年にあの歴史的なカミングアウトをしたときには、76歳のレズビアンから『TV番組でオープンリー・ゲイの主役を見られる日が来るなんて思ってもいないかった』という感謝の手紙が届いたそうです。それぐらい同性愛者は表舞台には出られないということにされていた状況を、エレンが打ち破ったというわけ)、それだけでこれらの告発がチャラにできるってもんでもないでしょう。この番組、4月にはリモートワーク時の給与支払いの不透明さでも批判されてたし、しかるべき調査をして対策を講じないかぎり、「エレンのブランド」はかえってまずいことになるんじゃないかなー。