石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

地下鉄でゲイカップルに暴力 反ホモフォビア法要求の声高まる イタリア・ローマ

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イタリア・ローマの地下鉄でボーイフレンドにキスをしていた男性が、ホモフォビックな罵声を浴びせられたのち暴力を振るわれました。複数の議員や活動家らが、LGBTの人々に対する暴力をヘイトクライムに含める法案の可決を求めています。

詳細は以下。

soynuevaprensadigital.com

事件の様子をおさめた動画と写真はこちら。

このニュース、自分はまず英ガーディアンの報道で知ったのですが、そちらにはあまり詳しい情報が載っていませんでした。被害者のゲイ男性、Jean Pierre Morenoさんがニカラグア人だからか、スペイン語メディアのSoy Nueva Prensa Digitalの方がよっぽど詳しいです。それによると、まずこの事件が起こったのは2021年2月26日の夜で、場所はローマ地下鉄のヴァッレ・アウレーリア駅。Morenoさんは23歳の誕生日を恋人や友人と祝った後、家に帰るところでした。加害者(31歳のルーマニア人で、既に警察が身元を特定しています)は、Morenoさんとボーイフレンドのキスを向かい側のプラットフォームから見かけてホモフォビックなことばで非難し始め、Morenoさんが無視していると、どんどん攻撃的になってきたのだそうです。危険を感じたMorenoさんが友達に頼んで携帯電話で録画を始めてもらったところ、男は1分も経たないうちに「自分の命を危険に晒して線路を横切って」やってきたとのこと。

この動画は3月20日にMorenoさんが所属する団体、GaynetのWebサイトで公表され、大きな話題を呼んでいます。ちなみにイタリアではLGBTの人々に対する暴力などをヘイトクライムに含める法案が11月に下院で可決されたのち、右派議員による妨害で上院での議論が進まずにいるところなのだそうです。この法案の起草者であるAlessandro Zan議員や、「フォルツァ・イタリア」党の上院議員Gabriella Giammanco氏、Barbara Masini氏らは、今回の事件を受け、同法の成立を求める声を上げています。

ちなみにMorenoさんは2018年にニカラグアの大統領派が反政府デモ参加者を300人以上殺害したときに母国を脱出したという人で、自分は難民だと話しているとのこと。ニカラグアって性的少数者への暴力もかなりひどいところだし、そこから出て新たに住み始めた場所でこの事件だなんて、「"andar de Herodes a Pilatos"っちゅーのはこういうことか」と思いましたよあたしゃ。早いとこヘイトクライム法をアップデートして、Morenoさんみたいな人が安心して暮らせるようにしてほしいわ。いや、シビルユニオンすらない日本から言われたくないだろうけどね、イタリア人も。