石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

米カトリック組織、自殺予防の法案に反対 理由は「LGBTQの自殺予防が入っているから」

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米国カトリック司教協議会(USCCB)が、米国で2019年に提出された「全米自殺ホットライン指定法案(National Suicide Hotline Designation Act of 2020)」に反対するロビー活動をおこない、可決を阻止しようとしていたことがわかりました。反対の理由は、LGBTQの自殺防止プログラムに(も)資金が割り当てられていたから。

詳細は以下。

www.insider.com

この法案の内容は、簡単に言うと、「自殺予防ホットラインの電話番号を全米共通の認識しやすい3桁のものにし、危機的状況にある人がアクセスしやすいようにする」というもの。そして、法案の中ではLGBTQユースの自殺企図は同世代の若者の4倍以上であることが説明されており、「LGBTQのための自殺予防と危機管理サービスを全国的に提供できる組織」と協議して計画を策定すると書かれています。米国カトリック司教協議会はそれが気に入らず、水面下で反対活動をして可決を食い止めようとしてたんだって。

自殺は罪だと教える宗教を信奉しつつ、LGBTQユースの自殺予防は妨害しようとするってどういう理屈だよ。とは言えこの団体、女性に対する暴力法の改正や2021年平等法に関しても、ひたすらLGBTQの人々の権利に反対してきたそうですから、首尾一貫してひどいとも言えますが。

ちなみにこの「全米自殺ホットライン指定法案」は彼らの反対もむなしく可決され、成立しています。

www.baldwin.senate.gov

そして、公共宗教研究所(Public Religion Research Institute) の2020年度の調査によると、もはや米国人の78%がLGBTQの人々を差別から守る法律に賛成しているんだそうです。宗派ごとの集計では、白人カトリック教徒の78%、ヒスパニックのカトリック教徒の81%、その他の非白人のカトリック教徒の74%が賛成と答えたというデータが出ています。

www.prri.org

さらに言うと、同国では2020年のギャラップ調査で、史上初めて成人の教会加入率が50%を割ったと報じられたばかり。

news.gallup.com

だからもう、ひょっとしたらヘイトグループとしての宗教団体は、この先米国では昔ほどの求心力を持てなくなっていくのかもしれませんね。そこに一縷の望みをかけたいわ(とは言え、その分先鋭化したり、福音派が既にやってるみたいなヘイトの輸出に精を出されても困るんだけどね)。