石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ティファニーが男性向け婚約指輪リリース 同社初

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米NYに本店を置く宝飾店ティファニーが、初の男性用エンゲージメントリングを発表。同社が男性のための婚約指輪を発売するのはこれが初なのだそうです。

詳細は以下。

elpais.com

創業者の名をとって「チャールズ ティファニー セッティング」と名付けられたこのリングは全6種で、素材はプラチナまたはチタン。どれも中央にダイヤモンド(エメラルドカットかブリリアントカット)がはめこまれていて、EL PAÍSによればカラット数は最大5カラットだそうです。この6種は全部@ティファニーの日本向け公式サイトの「エンゲージメントリング」のページで見ることができますが、リンク先に飛ぶのが面倒な方は以下のデザイン画と写真をどうぞ。

で、なんでこれがニュースになっているのかというと、「ELLE」誌の言葉を借りれば、「183年の歴史を持つこのブランドが、ダイヤモンドはジェンダーの区別なく使えるという考えをようやく受け入れた」ということだから。もうちょっと突っ込んだ言い方をするならば、「婚約指輪は男が女に贈るものだ」という社会通念からようやく一歩踏み出したということだから。ティファニー、2015年にはもう広告に同性カップルを登場させてた(以下の動画参照)のに、商品展開は意外と旧態依然としてたのね……。

ちなみに今手元にある2005年のOED (Second Edition Revised)を見てみたところ、"engagement ring"の定義は「男性から女性に、ふたりが結婚に同意したときに贈られる指輪("a ring given by a man to a woman when they agree to marry.")」となっていました。でも、編集者が「できるかぎり最新の状態に保つため年に2-3回更新している」と言ってるMerriam-Webstarのオンライン辞書は、このことばをこんな風に説明しています(以下、訳は拙訳)。


婚約のあかしとして贈られる指輪
特に、男性から婚約者に贈られるダイヤモンドの一つ石のものをいう。

: a ring given in token of betrothal
especially : a diamond solitaire so given by a man to his fiancée

結婚するカップルが必ずしも「男」と「女」の組み合わせとは限らなくなってきている昨今、こちらの定義の方が現実に即してますよね。ティファニーもようやくこのぐらいのところまで「更新」を済ませた、ということなのだと思います。