上記リンク先はニュースではなく、K-popグループLe Sserafimに対するスペイン語メディアのインタビュー記事なんだけど、メンバーのホ・ユンジン(Huh Yunjin)がジェンダー中立的な所有格"nuestr@s "を使っていて驚いたのでご紹介。具体的に言うと、インタビュアーの「デビュー以降どんな変化がありましたか?」という問いへの答えが、こうなってるんです。
ホ・ユンジン「なにもかも変わりました。とてもたくさんの愛と支援をいただいています。わたしたちの(nuestr@s)ファンと、わたしたちの(nuestr@s)メンバーと、スタッフがついていてくれます」
HUH YUNJIN: Todo ha cambiado. Tengo tanto amor y apoyo en mi vida. Tengo a nuestr@s fans y nuestr@s miembros y nuestro personal.
ちょっと補足すると、スペイン語は所有格が性数変化する言葉で、「わたしたちの」という語は伝統的にはこんな風に変化します。
- 男だけの集団を指す→nuestros
- 男と女を両方含む集団を指す→nuestros
- 女だけの集団を指す→nuestras
でも昨今は、上記2が1と同じ表現になるのは女性蔑視的であるとか、そもそもノンバイナリーやジェンダーニュートラル、ジェンダーフルイドなどの人はどのケースでも「いないこと」にされているなどの批判が出てきています。それで、公平を期すため、"nuestros"でも"nuestras"でもない"nuestr@s "などの中立的な表現を使おうという動きがあるんです。しかし、LGBTQ+系メディアならともかく、テレビ局のネットワークによるアイドルインタビュー記事でこの表現を見かけるとはびっくり。サイト内検索もしてみたけど、"nuestr@s "が出てくるのはこの記事だけなんですよ、ちなみに。
なお、ホ・ユンジンはニューヨーク出身で、デビュー年の2022年に堂々とプライド月間を祝うツイートをして話題になっていた人。
little throwback for pride :)
— 르세라핌 (@IM_LESSERAFIM) June 2, 2022
i love you. unconditionally.#LE_SSERAFIM #HUHYUNJIN #허윤진 #ホユンジン pic.twitter.com/LO7ueLuBQl
あと、こういう曲(日本語字幕が出ます)を書く人でもあります。
だから、インタビューがスペイン語化されるときにこういう配慮があるのも当然といえば当然かも。Le Sserafimはスペイン語圏のファンも多いから、喜んだ人もきっとたくさんいるのでは。全然スペイン語圏の人じゃないあたしも喜んだわ、YEEEESS YUNJIN!