ケロッグのマスコットキャラ「トニー・ザ・タイガー」がLGBTプライドのガイドブックに登場。「プライドをもってストライプ(縞)を身につけよう」と呼びかけました。ゲイ嫌いのヘイト団体はこれに反発し、同社製品のボイコットを提唱しています。
詳細は以下。
Kellogg's Tony The Tiger Ad Touting Company's Pro-Gay Achievements Angers Right Wing Group
ケロッグは実は米アトランタ・プライドのスポンサー。それで2014年10月、同イベントの公式ガイドブックにこんな広告が載ったわけです。
LOOK: The fact that Tony the Tiger is pro-LGBT has some people super pissed off http://t.co/jImiN8ZmnN
— huffpostgay (@huffpostgay) 2014, 11月 11
広告見出しの「ストライプ」という語は、おそらくレインボーのストライプと、「虎は自分の縞を変えられない("a Tiger can't change it's stripes"、『人間の本質は変えることができない』の意)」ということわざをかけたものなんじゃないかな。見出し以下のコピーを訳すと、こんな感じ。
ケロッグでは、すべての従業員が本当の自分自身でいられて、能力を十分に発揮できるよう、従業員の性自認とジェンダー表現をリスペクトして受け入れるカルチャーを発展させていきます。
At Kellogg, we’re an evolving culture that respects and accepts employees’ sexual orientation, gender identity and gender expression so that all employees can be authentic and fully engaged.
いいこと言うてはる。しかし米国のアンチゲイなヘイトグループ「American Family Association」(AFA)は、そうは思わなかったようです。間抜けなことについ最近ようやくこの広告に気づいたとおぼしき同団体は、11月7日にFacebookに画像を上げて問題視。お仲間が集まって賛同のコメントをつけ、ケロッグをボイコットすると表明したようです。Advocateによると、以下のコメントには300以上の「いいね!」がつけられていたとか。
「さよならケロッグ、あんたはもう『グ~~レイト!』じゃないわ!!」
“Good Bye Kellogg's, you're not so GREAAATTT!!! Anymore,”
わざわざトニー・ザ・タイガーの決め台詞まで使ってご苦労様なことで。ただね、今見るとこのFacebookの元記事自体がまるごと消えてるんですよね。URLを変えたのか、それとも削除したのか?
なお、米ハフィントンポストが指摘している通り、米国人にとってなじみ深い食品のブランドがLGBT支持を表明するのはもはや珍しいことではありません。ジェネラルミルズはこんなキャンペーンをやってますし、
ナビスコもゲイ・ファミリーをCMに登場させ、さらにそのCMへのバックラッシュに対し見事な切り返しを見せています。
保守派のヘイトグループの皆さまはこうしたCMが出るたびボイコットを呼びかけていますが、それが功を奏したという話はひとつも聞いたことがありません。今回もたぶん、無駄に終わるんじゃないかな。だいたい、トニー・ザ・タイガーのこの広告に反対ってことは、企業に対し「従業員がひとりも本当の自分自身でいられず、能力を十分に発揮できないよう、従業員の性自認とジェンダー表現を侮辱し拒絶するカルチャー」を持てと要求してるってことになるんじゃないの? そんなのLGBT絡みじゃなくてもおかしいし、人材確保の上でもマイナスにしかならないでしょ。
それに第一、シリアルって子供が毎朝食べるものじゃん。そのシリアルのおなじみのキャラクタが、どんな人でも尊重され、受け入れられるべきだ、本当の自分でいられることで能力を十分発揮できるんだというメッセージを発するのってものすごく大事なことだと思うのよ。シスヘテロの子供にとっても、です。AFAやそのお仲間が何を言おうと、トニー・ザ・タイガーのしたことは「グ~レイト!!」以外の何物でもないっすよまったく。