石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『School Days(2)』(ちんじゃおろおす、G-WALK)感想

School Days 2 (2) (ムーグコミックス)School Days 2 (2) (ムーグコミックス)
ちんじゃおろおす

ジーウォーク 2008-03-05
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“ヘンタイ女”河本さん登場

新キャラの“ヘンタイ女”こと「河本マコト」(女性です)の存在が非常にユニークです。ただし、女のコ同士の関係の描き方は相変わらず中途半端な感じ。1巻と同じく女性同士のエロがみな尻切れトンボであることに加え、カップリングが場当たり的で関係性が薄いところが最大のマイナスポイント。ただし、あくまでも男女エロにのみ着目して読むのなら、河本さんと恋人との奇妙な関係はかなり面白いと思います。ニーズによって評価が分かれそうな1冊ですね。

河本さんのユニークさ

2巻の表紙を飾るボーイッシュ少女河本マコトは、男性の恋人「柚くん」との奇妙な関係に悩んでいます。柚くんは実は「男の子しかキョーミない」(p121)人で、マコトに一人称「ボク」を使うことを強要し、セックスはすべてバックからのアナル。要するにこれは仏映画『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』ですよ! で、マコトはジェーン・バーキンの立場なわけ。

男性向けエロ漫画にボクっ子やアナルセックスは掃いて捨てるほど出てきますが、あえてゲイキャラを起用してこういうシチュエーションで描くというのは初めて見ました。「制服を着たマコトを女装男子に見立てて犯す」なんていう二重三重に屈折したエロ描写もあり、これはちょっと面白かったです。あと、柚くんが別に根っから悪い人ではなくて、「悪辣なゲイに女のコがひどい目に遭わされる」なんて話には決してなってないところもよかったです。

女女関係は中途半端

この巻のストーリーの柱は2本あります。ひとつは「河本さんが柚くんと別れて自立する」というもの。もうひとつは「河本さんが『なお』や『藤堂さん』にちょっかいを出し(性的な意味で)、ふたりがドキドキ混乱する」というもの。前者には整合性があってよかったんですが、後者はちょっと迷走気味だったと思います。
迷走気味な理由はふたつ。

  1. カップリングが場当たり的な「順列組み合わせ」でしかない。つまり、好き感情が介在しない
  2. どの女女エロシークエンスもオーガズム不在の尻切れトンボ状態。要するに、じゃれてるだけで快楽を追求する気はゼロ

マコトがなおに急接近して藤堂さんがジェラシーを抱くところなんていうのは、かなり百合っぽかったんですけどね。でも、その藤堂さんにしてから、あっさりマコトにパンツ脱がされたりしてるところがなんとも行き当たりばったり。他の組み合わせもすべて場当たり的で、女のコ同士の関係性や感情の高まりに萌える人には今ひとつ物足りないかと思います。

余談

主人公なおは相変わらずヘテロ街道まっしぐら。マコトに最初に興味を持ったのも彼女が男のコだと誤解したからですし、実は女だとわかってからも、マコトにちんこが生えてるところを妄想して自慰にふけったりしています。もうこの人はこういうもんだとして暖かく見守るしかないですな。「ちんこ大好きなエロい女に萌えるぜー!」っていう方にとってはまさにストライクゾーンなキャラなのかもしれませんし。

まとめ

1巻よりセクシュアリティの揺らぎは大きくなっていて、とくにマコトの位置づけはとても面白かったです。けれど、女のコ同士の関係性やエロについてはやっぱり物足りないものがあると思いました。属性によってすごく評価が分かれる作品なんじゃないかと思います。