石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ローリー・キング

『捜査官ケイト 過去からの挨拶』(ローリー・キング[著]/布施由紀子[訳]、集英社)感想

ケイト・マーティネリ・シリーズ第5弾。作者のもう1つの人気シリーズ<シャーロック・ホームズの愛弟子>とのクロスオーバー作品で、マトリョーシカ的な構造の中、同性愛テーマがこれまで以上に力強く、かつ幅広く描かれます。

『捜査官ケイト 夜勤』(ローリー・キング[著]/布施由紀子[訳]、集英社)感想

ケイト・マーティネリ・シリーズ第4弾。DV男やレイプ犯への復讐と、インドの花嫁焼殺事件を背景に、カーリー女神のイメージに託した「愛と怒りの共存」という主題が描かれます。巧みなユーモアや、レズビアンカップルのリアルさ、苦みのある結末がナイス。

『捜査官ケイト 消えた子』(ローリー・キング[著]/布施由紀子[訳]、集英社)感想

ケイト・マーティネリ・シリーズ第3弾。リーとの別居で荒れ荒れのケイトが、12歳の友人ジュールズの頼みで始めた人捜しをきっかけに、絶望的な状況に追い込まれます。凝った構成と深い感情・心理描写が光る1冊で、レズビアンの扱いもリアル。

『捜査官ケイト 愚か者の町』(ローリー・キング[著]/森沢麻里[訳]、集英社)感想

ケイト・マーティネリ・シリーズ第2弾。ホームレス殺しを追うケイトが、引用句でしか喋らない謎めいた容疑者を相手に悪戦苦闘します。聖愚者たる「フール」やその運動について多くのページが割かれる一方、謎解きやサスペンスの要素は少なめです。

『捜査官ケイト』(ローリー・キング[著]/森沢麻里[訳]、集英社)感想

サンフランシスコ市警のレズビアン捜査官、ケイト・マーティネリ・シリーズ第1作。1994年度エドガー賞受賞作。連続女児殺害事件と、それに繋がる過去の謎が解き明かされる中、控えめながらも手応えあるレズビアン・テーマが描かれます。