石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『さくら文通』(ヒマワリソウヤ、一迅社)感想

「日輪早夜」名義でBL漫画で活躍されている作者さんの初百合単行本。描き下ろしも含め、計7編のリリカルな短編が収録されています。綺麗な絵柄や時代設定の幅広さはよかったのですが、いかんせんキャラの掘り下げが浅く、説明台詞が多すぎるような気が。

『レズビアン(2) 蜜の部屋』(千之ナイフ、青林堂)感想

『レズビアン 少女愛』の続編。幻想的な設定も、制服や小道具にみられるフェチなテイストも、そして少女たちの美しさやエロティシズムもみな好印象。ストーリーこそ予定調和的ですが、作品全体にみなぎる独特の美的感覚を味わうだけで十二分に元が取れます。

『ナイフエッジガール』(古街キッカ、一迅社)感想

表題作及び「graffiti」「トゥルトフロマージュ」「no title」の3編が収録された百合作品集。どのお話もラブラブなのにさらりとした雰囲気があり、よかったです。ウジウジした描写が珍重されがちな百合ジャンルで、この爽やかさは貴重かと。

『ヒメ・コイ』(マシュー正木、一迅社)感想

「桜」と「緑」の2人の女子高生が、乙女の恋を助ける「ヒメコイ部」として頑張る百合コメディ。百合恋愛のとらえ方が終始ポジティブなところが好印象でした。ただし、少年誌のギャグ漫画を思わせる独特の絵柄や、パンツ全見せなどの下品ギャグは、読み手によ…

『くちびるに透けたオレンジ』(ロクロイチ、一迅社)感想

美しい転校生に悶々と片想いする、シャイな欲求不満少女の物語。一部「映画『ルームメイト』かよ!?」と思ってしまうような部分があり、あたしにはちょっと合わない感じでした。クライマックスのエロゲチックな都合の良さも気になるところ。

『Raubritter*』(再田ニカ、一迅社)感想

女のコ専門で人助けする秘密クラブ「Raubritter」(ローブリッター)の物語。序盤でいきなり3P突入というフルスロットルな展開に惚れました。キャラ立ても手堅いし、話運びのテンポもよく、1冊で終わってしまうのがもったいない作品かと。

『sweet guilty love bites』(天野しゅにんた、一迅社)感想

「club野ばら」に勤めるキャバ嬢たちの、コミカルでキュートな百合ラブストーリー。オムニバス形式で計3話が収録されており、どのお話もすっげーよかったです。メインキャラが全員オトナ(20〜22歳)であるところがまず好感度大だし、たかが性別ぐらいでいち…

『flower*flower(2)』(石見翔子、一迅社)感想

陰謀うずまく王宮百合ラブロマンス第2巻。1巻の衝撃のラストに、てっきり「この後怒濤の展開が!?」と思っていたのですが、意外にも恋も謀略もかなりのスロー展開でした。1巻のあのしたたるような色気もなりをひそめ、今回もっとも色っぽいのは表紙です。

『ひなぎく純真女学園(3)』(ふくやまけいこ、徳間書店)感想

セレブ女子高生「樫宮アミ」から清貧メガネっ娘「木成ユイ」への想いを綴る4コマコメディ最終巻。百合として読むには正直失速感のある終わり方でした。お話の流れに「成長=異性愛の受容」という気配が漂うところにも首をかしげざるを得ません。

『蓬莱ガールズ(2)』(山田瑯、講談社)感想

お嬢様とゾンビ少女の冒険譚、第2巻。驚くなかれ、早くも最終巻です。あわただしい話のたたみ方を見るに打ち切りだったようで、かえすがえすも残念に思います。「少女と少女のバディ物」兼、ロードムービーならぬ「ロード漫画」として、期待してたのになあ。

『える・えるシスター(4)』(邪武丸、一迅社)感想

ノッポな少女「ふたば」と、そのストーカー気味の姉「一菜」が織りなす学園コメディの第4巻。もともとガチっぽさが希薄な作品ではありましたが、今回は百合コメディというより家族コメディとしての色彩がさらに強くなっている気がします。

『ロロナのアトリエ わたしのたからもの』(草野ほうき、マッグガーデン)感想

PS3ゲーム『ロロナのアトリエ〜アーランドの錬金術師〜』のコミカライゼーション。ストーリーはオリジナルですが、ロロナ、クーデリア、リオネラのうっすら微百合な絆がたいへん美味しゅうございました。

『花伽藍』(中山可穂、角川書店)感想

花伽藍 (角川文庫)作者: 中山可穂出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/05/25メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (3件) を見る極上のレズビアン小説集なんて贅沢な短編集だ、と思いました。圧倒され…

『ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻(4)』(南房秀久、角川書店)感想

ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻4 (角川スニーカー文庫)作者: 南房 秀久,島田フミカネ,上田梯子出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/06/30メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見る擬音語連発のキャ…

百合アンソロジー『百合少女 Vol.2』(コスミック出版)感想

「チョコとミント」(四位広猫)と「溺れる魚」(北尾タキ)の2編がとてもよかったです。ただし、他の収録作には、百合云々以前に漫画として首をかしげてしまうクオリティのものも散見されます。Vol.1に比べ、「古臭い少女漫画」っぽさや「汚れた気持ち」路…

『クイーンズブレイド -Hide&Seek- (5)』(南崎いく、角川書店)感想

女王の座を賭けて戦う女闘士たちの物語、最終巻。ヴァンス3姉妹の愛情劇の熱さが頂点に達しており、非常に面白く読みました。ドロッドロで百合百合で、痛々しいほどに激しい感情の奔流がみごとです。「『尺』という名の魔物」(p. 132)と戦いながらの結末で…

『楽園Le Paradis 第3号』(白泉社)感想

林家志弦さんの特撮系百合コメディ「思春期生命体ベガ」が最っ高です。バカで熱血で鼻血ブーで、かつしっかりラブくてキスもありと、美味しいところがぎっしりでした。ゲストと言わず連載化してくれればいいのになあ。その他の百合/レズビアン作品では、「…

『Candy Boy(1)』(峠比呂[画]/DRN/2008CP[原作]、メディアファクトリー)感想

ほんわかした姉「雪乃」と、そんな雪乃が大好きな妹「奏(かなで)」の双子姉妹百合話。人気アニメのコミカライゼーションですが、アニメとは違う世界観なのだそうです。可愛らしいお話ではありますが、雪乃と奏の関係は、あたしにはちょっとぬるいかなあ。