石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

サンドラ・スコペトーネ

『リゾートタウンの殺人』(サンドラ・スコペトーネ[著]/安藤由紀子[訳]、扶桑社)感想

レズビアン探偵ローレン・ローラノシリーズ第5弾。休暇でロングアイランドを訪れたローレンが、連続殺人事件に巻き込まれます。「同性カップルの中年の危機」という前巻以来のテーマがきめ細かく追われる一方、プロットはやや弱く、悪役の掘り下げも浅め。

『潔い死を』(サンドラ・スコペトーネ[著]/安藤由紀子[訳]、扶桑社)感想

レズビアン探偵ローレン・ローラノシリーズ第4弾。昔襲われたレイプ犯に再び付け狙われるわ、キップとの関係にもヒビが入るわで、公私ともにローレン大ピンチの巻。あっと驚く結末も秀逸で、ミステリとしても恋愛小説としても最後まで気の抜けない傑作です。

『愛しの失踪人』(サンドラ・スコペトーネ[著]/安藤由紀子[訳]、扶桑社)感想

レズビアン探偵ローレン・ローラノシリーズ第3弾。38年前に消えた女性を追うローレンが、複雑な家族関係と暗い秘密を探り当てます。ミステリとしては掟破りな部分もありますが、レズビアン要素やNYの情景の鮮やかさ・的確さは圧倒的です。

『あなたの知らない私』(サンドラ・スコペトーネ[著]/安藤由紀子[訳]、扶桑社)感想

レズビアン探偵ローレン・ローラノシリーズ第2弾。親友メガンの射殺事件を追う主人公が気づいてしまったつらい事実と、その中のささやかな救いが描かれます。謎解きには一部疑問も残るものの、巧みな人物造形やユーモアの魅力は相変わらず健在。

『狂気の愛』(サンドラ・スコペトーネ、安藤由紀子訳、扶桑社)感想

NYを舞台に活躍するレズビアン探偵、ローレン・ローラノシリーズの第1作。本国で出版されたのは1991年で、メインストリームに登場したおそらく初のレズビアンPIシリーズです。同性愛者の日常を時にシニカルに、時にコミカルに描き出す手腕がみごと。