
- 作者: 山田瑯
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/07/16
- メディア: コミック
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打ち切り感ただよう最終巻
お嬢様とゾンビ少女の冒険譚、第2巻。もっと壮大な話かと思っていたのに、驚くなかれこれが最終巻です。あわただしい話のたたみ方を見るに打ち切りだったとしか思えず、かえすがえすも残念に思います。「少女と少女のバディ物」兼、ロードムービーならぬ「ロード漫画」として、期待してたのになあ。ちょっとコワいファンタジーとしても楽しみだったのになー。ちなみにバディ物としての要素も、ゾクリとする演出も、今回もとてもよかったです。もっともっと長く続いてほしい作品でした。
後半すんごくあわただしいです
いきなり陽々(やんやん)の誕生の秘密は明かされるわ、鈴哥(りんか)の父の異様な執着の理由もわかるわで、あれよあれよという間にお話が超早送りされて行きます。結びは「俺たちの戦いはこれからだ!」パターンで、とっても打ち切り風味。いち読者としてはもっとゆっくり謎解きを楽しみたかったし、これからの戦いも見たかったので残念です。まるで、「コース料理を頼んだのに、前菜を食べている間に『メインでございます』『デザートでございます』とどんどん料理が並べられ、メインをひとくち食べただけで『閉店でございます』とシャッター下ろされた」みたいな印象でした。連載漫画にはよくあることとは言え、悲しかったです。
2人の絆もホラーっぽさも良かったんですが……
手つなぎの場面や陽々の涙、そして過去エピソードなど、少女2人の絆は今回も絶好調。鈴哥が陽々を力づけようとするときの手の表情(p. 77とかp. 109とか)にも、ぐっときました。敵キャラの狂気や、バトルシーンのエグさも健在だったと思います。そんなわけで、あたしにとっては1巻の面白さがしっかりと受け継がれている内容でした。
穿った見方をするならば、結局鈴哥や陽々のキャラが読者に受けなかったとか、絵柄に漂う独特の描き慣れなさが低評価につながったとかいうことなんでしょうか。2巻冒頭でいきなり入浴シーンが出てくるのは、ひょっとしたらテコ入れだったりしたのかなあ。ううむ。
まとめ
はからずも序章だけで終わってしまった(終わらされてしまった)意欲作、というところでしょうか。あたしはこの作品、面白いと思ったんですが、一般には受けなかったんでしょうかね。ありきたりな言い方ですが、次回作に期待したいです。