石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

男性器(?)の生えた妖精人形がアルゼンチンで話題に

f:id:miyakichi:20141226115612j:plain

アルゼンチンのディスカウントストアで売られていたティンカーベル風の妖精人形が、ちょっとした騒ぎを呼んでいます。ドレス姿の人形の股間に、立派なアレが生えていたからです。

詳細は以下。

Gender-bending fairy doll sparks outrage in Argentina · PinkNews

人形の姿はこちらで見ることができます。

「愛らしい妖精さんのスカートをめくると、いきなり剥き出しのボールとバットがこんにちはしてしまう」という意表の展開。「どうせ『下着の下の、恥骨あたりの造形がもっこりしすぎていた』ぐらいの話でしょ」となめてかかっていたあたしが悪うございました。

この人形が話題となったのは、ある3歳児の母親がFacebookに写真を上げたのがきっかけ。娘が大好きなティンカーベルの人形だと思って与えたら、当の娘さんがブツを発見して「これ何?」と聞いてきたんだとか。ご両親はなるべく平静を装い、「気にしないで、他のおもちゃで遊びなさい」と言ったのだそうです。これはプレゼントとして人からもらったもので、納品書もないし、どうやらディズニーのコピー商品らしくてブランド名も不明。生産国は中国で、この造形がわざとなのか製造時の不具合なのかはわからないとのこと。

保守派団体が子供たちのセクシュアリティへの「悪影響」を心配する一方、児童心理学者のリカルド・ロドゥルフォ( Ricardo Rodulfo)氏は「子供にとっては、おもちゃに男性器がついているかどうかは重要ではありません。騒ぐのはむしろ大人の方です」と説明しているそうです。

なお、Pinknewsの見出しでは、この人形がアルゼンチンで「憤慨」("outrage")を呼んだとされています。「南米でもLGBTイシューに関して相当進歩的な国なのに、そこまで大きな騒ぎになるもんかしら」と思っていたところ、コメント欄では複数のアルゼンチンの方が「そんな騒ぎにはなってない」と説明していらっしゃいました。あらやっぱり。さすがは手術しなくても性別変更できる国ね。

念のためスペイン語圏のTwitterもいくらか検索してみましたが、あたしの観測範囲では皆さんせいぜい「ハハハ」と笑ってたり、「ケン人形にはちんこがないのにどうしてこれにはあるんだ」とツッコミを入れてたり、「トランス(ジェンダー/セクシュアル)と異性装は違う」と指摘してたりするぐらいで、「憤慨」してる人はほとんど見当たりませんでした。むしろYouTubeの英語コメントの方がトランスフォビア/ホモフォビアが強い感じなのが興味深かったです。

個人的にはこの人形のつくりは単なる製造ミスだと思うんですよ。わざとくっつけたにしては位置が微妙ですし、「関係ないパーツがたまたまペニスに見える形状でくっついてしまった」ぐらいの話なんじゃないかと思います。子供のセクシュアリティがこんな人形ひとつでいちいち変わるわけはない(ヤマトタケルの女装や『とりかへばや』が連綿と語り継がれる日本の子供たちですら、別に全員ゲイやトランスになったりしていないんですからね!)んだし、何も騒ぐこたあないやね。むしろ、小さい子に「下半身の形状や服装がどうあろうと、それはその人の自由」「男の子だって着たければドレスを着ていい」と教える絶好のチャンスぐらいに思っとけばいいんじゃないかしら。

なんつーか、「大根掘ったら偶然ちんこみたいな形でした」ってとき、「子供に悪影響がー!!」って騒いでたら単なるバカでしょ。その程度の話だと思うんですよね。そこで大根のシェイプを見ながら「左に曲がってるな。昔はこういうのは『神田の左巻き』と言ってな、銭湯で『お、左巻きだね?』『あたりきよ、江戸っ子の神田っ子でい』てな風にタンカを切って自慢されたものなんだ。これは昔の神田には職人が多く、職人はぴったりしたパッチをはいていたから左に曲がりやすかったということから来るんだ」なんて話のひとつもしてやれば、「自分のペニスが曲がっているのは変かも」と悩んでいる子供が救われたりするわけで、せいぜいそれと同列の話なんじゃないですかね、これって。