石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

英賃貸サイト、ゲイカップルが問い合わせた物件を「異性愛者カップル」向けに変更し問題に

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英国のゲイカップルがルームシェア専門の賃貸サイトで「仕事を持つカップルにぴったり」とされていた物件に問い合わせを入れたところ、広告の表現を「異性愛者カップルに最適」と書き換えられてしまったそうです。

詳細は以下。

Exclusive: Gay couple told that flatshare is for ‘a straight couple’ · PinkNews

このカップル、ロス・ボウルター(Ross Boulter)さんとマイキー(Mikey)さんは、Spareroom.co.ukに掲載されていたギルフォードのアパートに興味を持ち、問い合わせを入れました。その時点では、広告の文面はこうだったんだそうです。

残り1室のみ。今週土曜入居可。仕事を持つカップルにぴったり。

Only One available now. Ready for occupation on this Saturday. Will suit professional couple.

ところが、ロスさんとマイキーさんからの問い合わせが入ったとたん、上記の文章はこう変更されてしまったとのこと。

3号室:入居可:空室、即入居可:異性愛者のカップルに最適

Room 3: Avail: VACANT AND AVAILABLE NOW: Ideal for a straight couple

ロスさんはPinkNewsの取材に対し、以下のように話しています。

仲介業者がこんなことをしたわけですから、正直ふたりとも大きなショックを受けました……それに、理由がわかりませんでした。

仮に同性愛者のカップルがあの部屋に住んだとして、何がどう変わるというのでしょう? わたしたちはどちらもきちんとした仕事に就いています……どちらもフルタイムで働いていますから、家賃は楽に払えます。申し分ない身元保証もあります。

広告でカップル向けだとはっきり謳っている物件に、異性愛者ではないからという理由でわたしたちが入居できないのは、間違っていると思います。

“To be honest we were both pretty shocked as it was an agency… we also couldn’t understand why.

“What difference would a gay couple living there make? We both have good jobs… we both work full time and could easily afford the rent. We also have impeccable references.

“It just seems wrong that we can’t move into a house, which clearly advertises for a couple, because we are not straight.

なお、Spareroom.co.ukはPinkNewsに、「仲介業者に連絡する」、「仲介業者や大家は性的指向を根拠に差別してはならない、それは違法だ」と話しているとのこと。

同性カップルの賃貸入居差別については、渋谷の同性パートナーシップ条例を機に、日本でもようやく話題になりましたよね。「そんな差別はない」だの、「大家には自分の信条にもとづいて店子を選ぶ自由があるから差別ではない」だのとうそぶく人をたくさん見かけ、さすが日本(悪い意味で)と思ったものです。日本生まれ日本育ちで日本国籍があって、おまけにシスヘテロ男性で健常者の正社員だったりすると、なかなか理解しにくい(あるいは、面倒だから否認しておいた方が楽な)ことなのだろうな、と思います。そういう人が仕事や勉強の都合で海外に移住するとして、借りようとした物件でことごとく「この部屋は白人向けだよ!」と断られたとき、「大家にも選ぶ自由があるよね★」といつまで言い続けられるのか、はなはだ疑問ですが。

幸いにも英国には反差別法があり、人種や国籍、性的指向などにもとづく差別は禁止されています。たぶんそのせいだろうと思うのですが、日本時間で2015年4月24日現在、この物件の情報がさらにこう書き換えられている(魚拓)のを確認しました。

3号室:入居可:空室、即入居可

Room 3: Avail: VACANT AND AVAILABLE NOW

最初っからこうしとけばよかったのにね。法律って、大事よね。