石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

ホモフォビアは精神病質傾向と関連あり(伊研究)

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イタリアのローマ・トルヴェルガタ大学の研究者たちが、ホモフォビアは精神病質傾向(psychoticism)と関連があるとする研究結果を発表しました。

詳細は以下。

New Study Finds Link Between Homophobia And Psychoticism / Queerty

この論文のタイトルは"Psychoticism, Immature Defense Mechanisms and a Fearful Attachment Style are Associated with a Higher Homophobic Attitude"といい、 Journal of Sexual Medicine (09/2015)に発表されました。以下で全文を読むことができます。

論文によると、この研究のねらいはホモフォビックな態度の心理学的側面を探ること。18歳から30歳までの大学生計551人を対象とし、以下の4種の質問紙調査がおこなわれました。

  • ホモフォビア尺度(Homophobia Scale; HR)
  • 症状チェックリスト(Symptoms Check List Revised; SCL-90-R)
  • 防衛スタイル測定尺度 (Defense Style Questionnaire; DSQ40)
  • 4分類愛着スタイル尺度 (Relationship Questionnaire; RQ)

結果として、ホモフォビアの強さは精神病質傾向(psychoticism)の強さや、成熟度の低い防衛機制、そして不安定な/おそれ型の愛着スタイルなどと正の相関があるとわかったとのことです。

どうしてこのようなことが起こるのか。研究者らは、精神病質傾向の強い人は外的現実を脅威ととらえ、他人(たとえば同性愛者)に怒りを投影している可能性があると指摘しています。防衛機制については、同性愛がホモフォビアが強い人の原始的な防衛反応(否認、投影、脱価値化など)を引き起こしていると考えられるとのこと。また、不安定な/おそれ型の愛着スタイルとホモフォビアの関係は、他者への恐怖という観点から説明できるそうです。

以下、論文の結論より抜粋。

われわれの研究は、ホモフォビアを精神障害の可能性のあるものとみなすという、論議を呼びそうな問題を追求するものだ。(引用者中略)精神病理学とホモフォビアの関係を知り、評価することは、同性愛に対するスティグマを予防するための基本的な課題なのである。

our study follows a controversial issue regarding homophobia as a possible mental disorder...to know and to assess the relationship between psychopathology and homophobia is a fundamental challenge in preventing the stigma toward homosexuality.

筆頭著者のエマヌエーレ・A・ジャンニーニ(Emmanuele A. Jannini)博士は、さらにプレスリリースで以下のように述べています。

「同性愛を病気とみなすべきかという何世紀にもわたる議論の後、われわれは、本当に治療が必要な病気はホモフォビアであること、そしてホモフォビアは深刻な精神病理と関連している可能性があるということを初めて示したのである」

“After discussing for centuries if homosexuality is to be considered a disease, for the first time we demonstrated that the real disease to be cured is homophobia, associated with potentially severe psychopathologies,”

そういえば「人種差別は『恐れ』に根ざすもので、不安やパニック障害に効く薬で緩和できる可能性がある」という研究報告がありましたっけ。ひょっとしたら、人種差別だけでなくホモフォビアについても似たようなことが言えるのかも?