石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

カンタス航空、子連れレズビアンカップルに「ヘテロ夫婦に席を譲れ」と要求

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子供を連れてカンタス航空の飛行機に乗ったレズビアン一家が、異性愛者の夫婦が一緒に座れるよう席を譲れと同社の職員からしつこく要求されたとFacebookで訴えています。

詳細は以下。

Passenger accuses Qantas of 'homophobia'

このカップルは弁護士のクリスティーナ・アントニアデス(Kristina Antoniades)さんとパートナーのメリン・ヒックス(Merrin Hicks)さん。ふたりは2015年11月9日のブリスベン発メルボルン行きの便に、幼い娘さんの分も合わせて3席続きの席を取っていました。しかし搭乗前にヒックスさんがサービスカウンターに呼び出され、ヘテロの夫婦が一緒に座れるようヒックスさんの座席を変えたと説明されたのだそうです。

そこでアントニアデスさんは、自分たちは家族であり、そのヘテロカップルの方が優先されるのはおかしいと説明。結局ヒックスさんには元々の席の搭乗券が再発行されました。が、これでは終わらなかったんです。

機内ではヒックスさんのとなりに男性が座り、そのうしろの席に彼の妻が座っていました。離陸後、カンタスのフライト・マネジャーがそれを見とがめ、ヒックスさんのせいで既婚夫婦が一緒に座れずにいるとして非難してきたのだそうです。

その後の流れはこう。

  1. アントニアデスさんが「自分たちは家族であり、一緒に座りたい」と説明
  2. 職員、なぜ妻と夫を離れて座らせるのかと質問
  3. アントニアデスさん、ここは自分たちが取った指定席だと説明
  4. 職員、搭乗券を見せろと要求
  5. 職員、一家の搭乗券を見てもなお「なぜ既婚夫婦を一緒に座らせてやらないのか」と問う
  6. アントニアデスさん、自分たちが座席に座る権利は既婚夫婦のそれに劣るものではないと説明

この後、この職員はひとことの謝罪もなく去っていったとのこと。

アントニアデス氏一家は指定席から動かなかったが、彼女はこの一件で屈辱を覚え、涙を流したと述べた。「こんなにあからさまな差別」は初めてだった、「恐ろしい経験であり、娘がこれを見なければならなかったことが悲しい」と彼女は言った。

Ms Antoniades said her family remained in their designated seats but that the incident left her humiliated and in tears. She said she had never experienced "such blatant discrimination. It was a terrible experience and I am saddened that our daughter had to witness this," she wrote.

カンタスのCEOアラン・ジョイス(Alan Joyce)氏はオープンリー・ゲイです。また、同社はシドニーの LGBTQIの祭典「ゲイ・アンド・レズビアン・マルディ・グラ」にフロート出してる企業でもあります。

それでいて現場の接遇はこの始末って、どういうことよ。社員教育がよっぽど杜撰なの? こんなぺっかぺかのフロートを出したり、スタッフにマルディ・グラのための踊りの振付を教えてるヒマがあったら、まず「客に失礼を働かない」という接客業のイロハのイを叩き込むべきでは。そもそもマルディ・グラって同性愛差別に対する反発として始まったイベントのはずなのに、自社社員にこんなことをさせつつマルディ・グラを支援するってどんなマッチポンプだよ、頭悪すぎだよ。

なお、カンタスのスポークスウーマンはこの一件を「不幸な誤解」とし、当該客には謝罪してフリークエントフライヤーポイント進呈の申し出もしたと発表しているとのこと。Daily Mail Onlineによれば、同社はこの件を「古い座席表のために起こった誤解」「セクシュアリティーとは無関係」としているようです。しかし、それなら少なくとも搭乗券を見せられたときに引き下がるか、最低でも座席表が間違ってないかチェックするかしたはずでは。搭乗券を提示されてもなお「席を譲って当然の二等市民」扱いをし続けたことが問題なのに、都合良く話をそらしてない?

具体的な再発防止策が発表されない限り、今後マルディ・グラでのカンタスのフロート写真を見るたび、チベットスナギツネのような目になってしまいそうです。そしてたぶんそれはあたしだけじゃないと思います。