石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

フロリダゲイカップル殺しの犯人の死刑執行命令が下される ゲイを「間引く」のは白人の義務と主張

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米国フロリダ州で2010年にゲイカップルを殺害したピーター・アヴセニュー(Peter Avsenew)の死刑執行命令が、2018年8月29日に下されました。アヴセニューは同性愛者は「人類の恥」であり、「間引く」のは白人の義務だとする手紙を判事に送っていたそうです。

詳細は以下。

Read this cold blooded killer’s note to the judge after being sentenced to death / LGBTQ Nation

アヴセニューは、クレイグリスト(米国で求人や個人売買、同居人探し、デートの相手探しなどに広く使われている大手コミュニティサイト)に載せた広告を介してケヴィン・アダムズ(Kevin Adams)さんとスティーヴン・パウエル(Steven Powell)さんというゲイカップルの家に入り込み、ふたりを射殺して車や現金などを奪って逃走したとして逮捕されました。彼はその後、殺人のみならず自動車盗、武装強盗、クレジットカード詐欺、重罪における火器の使用などでも有罪とされ、2018年1月に死刑判決を受けています。

アヴセニューは死刑を言い渡されたとき、まったく後悔した様子を見せず、被害者の遺族に向かって中指を立てるなどしていました。ちなみに彼は、ブロワード郡のイロナ・ホームズ(Ilona Holmes)判事に対して以下のような文面の手紙まで送っていたのだそうです。

「弱く臆病なものを間引くことは、わたしの白人男性としての義務です」と彼は書いた。「わたしはいつでも信じるもののために立ち上がり、何でも自分のやり方で殲滅します。ホモセクシュアルは人類の恥であり、殺されねばなりません。これらが最初だったわけではないし、これで終わりにもなりません」

“It is my duty as a white man to cull the weak and timid from existence. I will always stand up for what I believe in and eradicate anything in my way,” he wrote. “Homosexuals are a disgrace to mankind and must be put down. These weren’t the first and won’t be the last.”

アヴセニューの死刑執行の日程は、まだ決まっていないとのこと。

上で引用した判事宛の手紙、まるで相模原障害者殺傷事件の植松容疑者が衆院議長に渡そうとしていた手紙みたいだと思いました。ノルウェー連続テロ殺人事件のブレイビク容疑者の自己正当化のロジックにもよく似てる。

思うんだけど、アヴセニューを単体の「怪物」または「社会の敵」扱いして死刑にしたところで、問題は何も解決しないのでは。人がこのような価値観を持つに至ってしまう背景を分析して、問題の根本を叩かない限り、似たような殺人者が入れ替わり立ち替わり現れては事件を起こし続けるだけなんでは。あと、アヴセニューの「最初だったわけではない」という発言は余罪をほのめかしているようにも見えるんだけど、そのへんの究明はしなくていいんでしょうか(もう徹底的に調べ尽くしたとか、刑の執行までの間に調べがつく見通しなのかもしれませんが)。そんなわけで、いろいろと釈然としないニュースでした。