「『ゲイだと思った』8歳児を虐待死 母親の交際相手を告発 米LA」、「米LA8歳児虐待死事件で陪審が被告に死刑評決」、「ゲイとみなした8歳息子を虐待死させた母、罪を認める」の続報。2018年6月7日、ロサンゼルス郡上級裁判所が、イサウロ・アギーレ(Isauro Aguirre)被告に死刑を言い渡しました。
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恋人の連れ子を虐待死させた男に死刑判決、米カリフォルニア州 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
アギーレは交際相手パール・シンシア・フェルナンデス(Pearl Sinthia Fernandez)の息子、ガブリエル・フェルナンデス(Gabriel Fernandez)君がゲイであると考え、日常的に激しい虐待を加えていました。ガブリエル君は2013年5月22日に意識不明の状態で発見されて病院に運ばれ、その2日後に亡くなっています。アギーレとフェルナンデスが彼に具体的に何をしていたのかについては、うちの過去記事か、上記AFPBB Newsの日本語記事をごらんください。ひどすぎて、とてもここにもう一度書く気にはなれないぐらいだから。ロサンゼルス郡上級裁判所は、アギーレに死刑を、パール・フェルナンデスに仮釈放なしの終身刑を言い渡しました。
あたりまえだけど「男と女をつがわせておけば、それだけで次世代がすくすく育ってみんなハッピー」というのはただの幻想だと思います。ヘテロセクシュアリティーは魔法の杖じゃないし、ヘテロセクシズムはこうやってむしろ積極的に子供たちを殺してる。他の例を挙げましょうか? オレゴン州の25歳女性は、「ゲイだと思った」という理由で4歳の息子に暴行を加え、死に至らしめました。交際相手の男性も一緒に暴力をふるってました。ネバダ州の53歳の父親は、14歳の息子を、ゲイだという理由で射殺しました。チェチェンでは17歳の少年が、彼がゲイであることを知ったおじによって9階のバルコニーから突き落とされて亡くなりました。ブラジルの母親は、17歳の息子がゲイだからと包丁で殺害し、夫に手伝わせて死体を埋めて隠匿していました。そんなわけで、これはアギーレとフェルナンデスを「例外的なモンスター」扱いして終わりにしていい問題ではないと思います。社会全体のホモフォビアを減らしたり、通報や支援・介入のシステムを改善したりしていかなければ、今後もいくらでもこういう事件は起こることでしょうよ。