英国のLGB団体と葬儀社による調査で、同国のレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルのうち10%が葬儀中または葬儀の準備中に差別を受けたことがあるとわかりました。
詳細は以下。
Study: One in ten gay people face discrimination when arranging a funeral · PinkNews.co.uk
これはLGBの権利団体Stonewallと、葬儀社The Co-operative Funeralcareによる合同研究。2014年7月17日に発表された内容によると、こんなことがわかったそうです。
- 同性愛者・両性愛者の10%が、葬儀中または葬儀の準備中に差別されたことがある
- 家族や宗教指導者に差別されるケースが多い
- 同性愛者・両性愛者の48%が、パートナーとの死別時に差別されるのではないかと恐れている
- 24%が葬儀の計画を立てるのに障壁があるだろうと考えている
- 23%が葬儀社からひどい扱いを受けることを心配している
これは他人事じゃないなあ。日本でも、長年連れ添ったパートナーなのに「家族ではないから」として遺族席から閉め出され、「友人」扱いで一般席に座らされたという話を聞いたことがありますよ。最初から自分の意志で「友人」として参列する人ももちろんいますが、これだってじゅうぶんつらいです。もっとひどいケースでは、まず病室から閉め出された後、パートナーの親族が「地元で葬儀をするから」とさっさとご遺体を搬送してしまって、お別れすら言えなかったという話も。せめて分骨をと頼んで断られたとか、お墓の場所さえ教えてもらえなかったとか、そんな例もあります。
Stonewallのルース・ハント(Ruth Hunt)氏は以下のように述べています。
Stonewallは、英国を、そして世界をより良いものに変えようとたゆまぬ努力をしてきた世代の積み重ねの上に自分たちがいるのだと知っています。今、わたしたちには、彼らが彼ら自身や家族たちにふさわしい助力と支援を確実に得られるようにする責任があるのです。
At Stonewall we know that we stand on the shoulders of a generation whose tireless work helped to change Britain and the world for the better. We now have a responsibility to make sure that they receive the help and support they deserve for themselves and their families.
葬儀というのは生き残った側のためのグリーフワークの一環でもあるので、その機会を奪われるというのは残酷な話だと思います。同性同士の関係を「禁じられた恋」などと呼んでキャッキャとはしゃいでいる方々は、自分たちがいったい何を禁じているのか(受身形にして責任逃れしてるんじゃないわよ!)、そのせいで同性愛者や両性愛者の実生活にどんなことが起こっているのか、少しは考えてみては。愛する人の死を公に悲しむ権利まで踏みにじられるなんて、おかしいでしょどう見ても。