2015年11月から同性婚が可能となる予定のアイルランドで、多様な家族像を描いたポスターを教員組合が製作し、国中の学校に配布しました。文部大臣がこのポスターを高く評価する一方、アンチLGBTなカトリック団体は反対を唱えています。
詳細は以下。
This amazing poster explaining different families could go up in every school in Ireland · PinkNews
アイルランドでは2015年5月、世界で初めて国民投票で同性婚が認められました。同性同士の結婚は、11月から可能となる予定です。それに先駆け、アイルランドの小学校教員組合(INTO)は「家族はいろいろ、愛は同じ」("Different Families, Same Love")と名付けた以下のようなポスターを国中の学校に送付しました。(※大きな画像はこちらで見られます)
This amazing poster explaining different families could go up in every school in Ireland http://t.co/js2oMhXv3o pic.twitter.com/49Nux4NMmg
— PinkNews (@pinknews) 2015, 9月 26
ポスターの中には、子供のいる同性カップルの家庭や、ひとり親家庭、祖父母家庭など、さまざまなかたちの家族がかわいらしいイラストで描かれています。「父、母、子」という伝統的スタイルの家族もいれば、子供はおらず犬を飼っているゲイカップルも登場。人々の肌の色はさまざまで、車椅子の子もいます。画面下にはバスが停まっており、どうやら子供たちはここからバスで学校に向かう模様。
同国のジャン・オサリバン(Jan O’Sullivan)文部大臣は、このポスターを「いじめを予防したり、いじめと戦ったりするためにすべての学校に必要」とし、「LGBTの子供たちや、LGBTの親がいる家族たちに、学校はあなたがたを歓迎して大事にするというメッセージを送るもの」と評価しているとのこと。ほんとにその通りだと思うんですが、カトリックのアンチLGBTな圧力団体「アイオナ・インスティテュート」(Iona Institute)は、このポスターに反対しているのだそうです。同団体の議長ジョン・マレー( John Murray)博士がアイリッシュ・インディペンデント紙に言ってることがひどいの。
このポスターの問題は、すべての家族のかたちを同じように扱う教え方をするよう、教員たちに要求または示唆しているということです。
The problem with this poster is that it seems to require, or suggest to teachers, that they teach in a way that treats all family forms as being the same.
それの何が問題なのか、あたしには皆目わかりません。教員にいちいち人の家庭に優劣をつけさせ、差別やいじめを扇動させなきゃ気が済まないわけ? 何のために?
とは言え、人口の83.2パーセントがカトリックを自称するこの国で、62パーセント以上が同性婚に賛成票を投じたわけですから、これは別に「カトリックが」狭量だとかホモフォビックだとかいうことではないんですよね。単にこの団体が狭量かつホモフォビックだというだけ。信教の自由は差別する自由じゃないんだし、アイルランドの子供たちには、ぜひこのかわいいポスターを貼った教室でのびのびと勉強してもらいたいものだと思います。日本の学校にもこんなポスターがあるといいのにな。いや日本の場合、まずその前に教員の徹底研修が必要そうな気もしますが。ポスター見た途端に差別発言する先生方、フツーにいそうですし。