米国の主要航空会社デルタ航空が、機内上映でエルトン・ジョン(Sir Elton Hercules John)の伝記映画『ロケットマン』などの同性愛シーンをカットしたことを批判され、「今後このようなことが起こらないよう努力する」と発表しました。
詳細は以下。
上記リンク先によると、デルタ航空は最近、『ロケットマン』およびオリヴィア・ワイルド(Olivia Wilde)の青春コメディ映画『Booksmart(原題)』の機内上映にあたり、同性同士のロマンスの場面をカットしたものを流していたとのこと。
ちなみに『ロケットマン』は、これ以前にロシアでも多くのシーンを削除されており、そのことはエルトン・ジョンからはっきりと批判されています。
— Elton John (@eltonofficial) 31 de mayo de 2019
またオリヴィア・ワイルドは、デルタ航空の機内上映で『Booksmart(原題)』の女性同士のラブシーンがカットされていたことについて、「キャラクタの成長のとても重要な部分なので悲しみに打ちひしがれている」、「レイティングが『成人向け(X-Rated)』でないのなら、まちがいなく飛行機の許容範囲のはず」などとコメントしています。
Olivia Wilde on #Booksmart's apparent airline censorship: "It's such an integral part of this character's journey, my heart just broke" #HonoraryOscars pic.twitter.com/QvZRq28h5x
— Variety (@Variety) 2019年10月28日
念のために付け加えておくと、そのラブシーンは裸でさえないし、裸どころか『レズビアン』という単語さえ機内上映では消されてたんだそうですよ。同性愛ってヴォルデモートかなんかなんですか、この会社にとっては?。
このほか、機内でゲイ・シーンのカットに気づいた乗客からも批判の声が上がっており、同社は両作品の同性同士のラブシーンを元に戻すと発表しました。しかし、スポークスマンの公式声明はわりと無責任な感じです。要約すると「映画会社が劇場用のオリジナル版と編集済のバージョンを売ってることはよくあって、デルタはこれら2作品の編集済の方を選び、後になって中身が不必要に削られていると気づいたんです、今わたしら再発防止の取り込みをしています」てなことを言っていて、つまりすべては編集済バージョンを作ったサードバーティ―のせいだということにしたいっぽいんですね。
でもねえ、デルタ航空って2016年にも『キャロル』のキスシーンをカットしてたとこなんですよね。
で、そのときも批判され、今回とほぼ同じ「編集版を作ったサードパーティーのせい」という釈明を発表してたんです。そしてその翌年に、何事もなかったかのようにまた『バッド・ママ』の女性同士のキスシーンをカットしてる。
だから今回の声明もまったく信用できないし、同社が今後もまた同じようなことをし続ける可能性は高いんじゃないですかね。『ロケットマン』と『Booksmart』で、『キャロル』や『バッド・ママ』のときにはやらなかった「同性同士のラブシーンを元に戻す」ということをするというのも、「結局エルトンが実在の、お金もあれば影響力もある白人男性セレブリティだからなんじゃねえの」と思ってますよあたしは。
ちなみに映画ではなく生きてるLGBTQ+の乗客に対してこの航空会社がしてきたことについては、以下のリンク先をどうぞ。