石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『Squeeze』(武藤鉄、フランス書院)感想

Squeeze (Xコミックス)Squeeze (Xコミックス)
武藤 鉄

フランス書院 2004-10
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タイトル通りに果汁多め

タイトル通りに果汁多めな18禁レズビアンエロ漫画集。この場合、果汁とは愛液と尿を指すんですが、特に後者に関しては、ぢたま某さんの『SuperLovePotion』に勝るとも劣らないぐらい思い切りの良い尿漫画っぷりだと思いました。あと、同作者さんによる『WET』と同じく、SM要素がただのサディスト側の自己満足に終わってないところがよかったです。

“果汁”について

フルーツを生産販売する会社スウィーテックを舞台にした「果実シリーズ」がその代表かな。このシリーズには「みか」と「ちさと」、「ともちゃん」と「そのこ」の2組の♀♀カップルが存在するのですが、

やっぱりみかんって ぎゅうーっと一気に果汁を搾る瞬間が最高よねー

やっぱりミルクをかけたら 果肉をぎゅっとつぶして 染み出した果汁とミルクを混ぜるのがいちばんおいしいよね――

などのエロティックな暗喩に満ちた会話が秀逸。独特のぷに感がある絵柄がまた、こういった台詞に合うんですよね。ちなみに尿については、この果実シリーズの描きおろしイラスト4枚が全部放尿ものだというあたりからお察しください。

SMと女のコ同士の愛について

全編通じて加虐⇔被虐というシチュエーションがとても多いのですが、どれも単にSがMを痛めつけて興奮するだけの話ではなく、女のコ同士のラブい関係がきちんと描かれているところがよかったです。それが特に顕著なのが、収録作「聖剣の魔術師」と「まるで恋のように(1〜3)」。前者は、一旦よくある男女SM物と思わせておいて、どんでん返しで綺麗に女のコ同士の愛に収束していくところが面白かったです。後者は、不良少女がお嬢様を凌辱する話でありながら、クライマックスでタイトルの意味が明かされるところが最高。つくづく、「エロいのに陰惨にならない(むしろラブい)SM」っていうのが武藤鉄さんの持ち味だなあと思いました。

その他

全9話中、男女エロが登場する話は3話のみ。そのうち、男女エロだけの話は1話のみ。ご参考まで。

まとめ

体液と愛あるSMとレズビアンエロスがみっちり詰まった短編集です。それぞれの要素がとても濃いので、ひとつでも地雷がある方は回避推奨。逆に、属性のある方なら文句なしに買いの一品だと思いました。