- 作者: 深見真,Rebis
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/11/16
- メディア: 文庫
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筋肉&巨乳祭りin武侠小説
いやあ今回もすごかった! 今度もまた、風船のような巨乳(※ひんぬーキャラも何人かいますけど)とMS.オリンピアも裸足で逃げ出す筋肉を持つ女傑たちが丁丁発止の大活躍ですよ(性的な意味でも)。内容的には、Rebisさんの口絵がすべてを物語っていると思います。あの口絵を見て「合わない」と思った人は尻尾を巻いて逃げ帰るが吉。「よっしゃいけるぜー!」と思った人はむさぼり読むのが吉。わたくしは後者で、新キャラが出るたびにわくわくして口絵を見返していたクチです。新キャラの中では神虎族とカリンが好きだなあ。あと、ニスーラも。ちなみに物語全体としては、シュンライの周りに頼もしい味方が自然と集まり、反朝廷の勢いが強まってきています。また、ヒュンラの変化も面白かったです。
百合というよりふたなり主体
「女の武術家は強いほど、女を抱きたがるもの……たっぷりと楽しんでいってくださいませ」
という台詞(p62)もある通り、今回も女性同士の絡みはこれでもかというほど出てきます。ただし――1巻発売から半年近く過ぎてますのでもうバラしちゃっていいと思うんですが――『武林クロスロード』は百合というよりふたなり主体のお話です。生まれつき生えてる人、薬で生やした人、煉丹術で生やした人などなど、とにかく、生えまくってます。2巻は1巻よりさらにエロシーンが多いのですけれど、その内訳を実際にカウントして計算してみたら以下のようになりました。
カテゴリ | 全体に占める割合 |
---|---|
ふたなり女女エロ | 85パーセント |
非ふたなり女女エロ | 10パーセント |
男女エロ | 5パーセント |
ちなみにメインのふたなり女女エロについては、もう組み合わせにしろ人数にしろやりたい放題だと思ってください。特に○○○○と○○○の絡みなんて、あれだけ破天荒だった1巻にも存在しないパターンのエロで、「まだ破るべきタブーが残っていたとは!」とのけぞりました。あと、貴重な非ふたなり女女エロのニスーラ×アルシャも淫靡でよかったなー。
ストーリーについて
シュンライ一行に頼もしい味方が次々と増え、お話が大きく動き出しています。英雄の周りには自然とその人を支える人が集まってくるものだなあと思いました。最大の敵ジャホウセンを倒す方法なんかも、いかにも中国の伝説なんかにありそうな感じで楽しかったです。この小説は「ふたなりセックスを好む筋肉モリモリ女武侠がてんこもり」などの一見むちゃくちゃな設定は多々あれど、基本的な構造は王道をきちんと踏襲した骨太な英雄譚であって、そこがとてもいいと思います。
『武林クロスロード』のリアリティ
戦闘シーンやエロシーンこそハチャメチャなまでに豪快なものの、実は人間の感情についてはしっかりとリアリティがある小説だと思うんですよこれ。今回は特に、ヒュンラの心境の変化や、オンリンとリョウカの間のわだかまりが解けていくところにそれを感じました。特に後者に関しては、リョウカの強さがただ「器解族に生まれたから」とか、「仙術の心得があるから」とかの設定だけでご都合主義的に説明されるのではなく、リョウカ本人の気持ちと行動によってはっきり表現されているところがとてもよかったです。これならオンリンも納得するわなー。
その他
- 前々からM体質だと思っていたヒュンラさん、Mどころか超絶ドMっぷりを遺憾なく発揮して大活躍です。後ろ手に縛られたままオンリンに外に連れ出されて屈辱を味わわされるところなんか、下手なエロシーンより恥辱感があるかも。というわけで、ヒュンラファンはぜひ。
- 崩天教主ことジャホウセンも強烈にキャラが立っていて、よかったです。シュンライに対抗できるだけの強さと、それなりに信念を持って悪事を働いているところ、そしてあの設定(伏せます)などから、ひょっとしたら今後も重要な役割を果たすキャラになるかも、と思います。
まとめ
1巻よりさらにムチャな(褒め言葉)エロとバイオレンスと筋肉の嵐なのに、話の大筋と人間の感情面では破綻なくきっちりとまとまっていて、面白かったです。3巻も出てほしいなー。