石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『魔法の呪文を唱えたら(1)』(鬼八頭かかし、学習研究社)感想

魔法の呪文を唱えたら (ノーラコミックス)

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ぱんつ愛にあふれた萌え系百合4コマ

魔導学院を舞台とする百合4コマ。ガチ恋愛というより萌え系のノリなんですが、

  • 女のコが女のコを好きになることを誰も変だと思ってないところ
  • ぱんつ愛にあふれたヘンタイ(誉め言葉)キャラ・プラウディアの漢っぷり(女子ですが)

がとても良く、楽しく読めました。難点はキャラの見分けがつきにくいことですが、みな性格や行動パターンの違いがはっきりしているので、読み進むほどにどんどん見分けられるようになっていくと思います。

女のコが女のコを好きになることを誰も変だと思ってない点について

主人公ティエルと謎めいた先輩レナの関係こそ単なる友情なんですが、ティエルやレナを想う女のコたちのスパークする愛情が熱い! ティエルににもレナにも複数の女性キャラがそれぞれ熱烈な想いを寄せており、誰ひとりとしてそれを変なことだと思っていないところが楽しいです。

言い換えるなら、この漫画では誰も「女のコが女のコを好きになること」にいちいち動揺したり、動揺のあまり「禁断」とか「秘密の花園」とか「儚い疑似恋愛」なんていう異性愛中心主義的なお札をベタベタ貼って安心しようとしたりしないわけ。そこがとてもいいなと思いました。

プラウディアの漢っぷり(女子ですが)について

プラウディアはスカートめくりに命をかけているヘンタイ(誉め言葉)魔導士。想い人ティエルのぱんつにハァハァするのみならず、途中からはM属性にも目覚め、リリスやレナにお仕置きされて興奮していたりします。また露出属性もあるほか、新任の女性教師を見て

あの教師……乳とケツは最高だわよッッ

と「飢えた犬のような目」(p105)になっていたりします。

これだけならよくある「同性愛者=色情狂」パターンだと思うんですよ。が、このキャラの場合ちょっと違うのは、ティエルが一番好きであるという想いの濃淡がちゃんとあること。たとえば彼女がリリスやレナからのお仕置きを喜ぶのは、あくまで行為による興奮であって、別にリリスやレナに惚れているわけではないんです。また、乳とケツに見とれるのも単なるパーツ萌えであり、女教師自体に魅かれているわけではないことは読めばすぐわかります。

何よりすごいのは、彼女のティエル(のぱんつ)に対する情熱です。男性婚約者と一見いちゃラブな会話を繰り広げて皆を驚愕させておきながら、彼が帰ると

ハァ? 何言ってるだわよ あんなの世間体のために合わせてやってるだけだわよ
男なんか興味ないだわよ! 興味あるのはティエルたんのぱんつだけ――

と言い放ってティエルのスカートをめくるプラウディアの姿(p123)はまさに漢。「約束された将来よりティエルのぱんつをとる」(p123)というあまりの潔さに惚れそうです。

まとめ

ぱんつ愛に燃えるプラウディアのキャラが立ちまくりで面白い上、変な偏見もなくて、楽しく読めました。おすすめ。