石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『Girl To Love』(路杏るう、コアマガジン)感想

Girl To Love (メガストアコミックスシリーズ No. 3)Girl To Love (メガストアコミックスシリーズ No. 3)
路杏 るう

コアマガジン 2002-10
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ふた・百合・ショタ・女装M少年花盛りの、ドエロなアナルえっち漫画

こ、これはエロい。いや成年コミックだからエロいのは当然なんですが、これまでうちのサイトでレビューした18禁エロ漫画の中でも1、2を争うぐらいのいやらしさなんじゃないでしょうかこの作品。Hシーン(男女間/女女間/男男間)がほぼ全てお尻主体というクィア度というかマニアック度の高さと、絵のうまさとがあいまって、それはもう大変なことになってます。出てくる男性キャラがほぼ全部女装ショタ(マゾ率高し)だったりするあたりも面白いです。ちなみに女のコ同士のお話は2種類あり、一方はふたなり物なんですが、ふたでありつつ性器結合中心主義にまったく染まっていない上、メインカップルの愛も深くて、「これって、生えてはいても立派にレズビアン物なんじゃね?」とあたしは思いましたです。

女のコ同士のお話その1:「Girl To Love」(全8話)について

ボーイッシュ少女「鷹乃(たかの)」が、恋人の少女「鳴世(なるせ)」が開発した薬によってちんちんを生やされ、いろいろとエロエロなことに巻き込まれていくラブコメ。非常に面白いのが、

  1. 生やされる前からふたりの間には肉体関係があって、
  2. しかもそれはアナル

という点です。実際、生えてからも鷹乃は当然のように鳴世のお尻でし続けます。つまりこの作品においては、「セックス=男と女がするもの」でもなければ、「セックス=ペニスとヴァジャイナの結合」でもないわけ。かと言って膣セックスを軽視したり嫌悪したりするわけでもなく、後半では鷹乃による鳴世の破瓜の場面なんかも描かれていて、それがまたラブラブでいいんですよ。ふたなり物でありながら、実は男性器至上主義のお話でもまったくないし(それは破瓜の後の展開でわかります)、「女同士でこれだけ深く愛し合ってるんなら、体のかたちがどうあろうとそれはレズビアン物なんじゃね?」とあたしは思いました。まとめると、「キャラになんか生えても、巷の男女セックス規範を軽やかに無視して女同士の濃厚な性愛を描き切ってみせる」という、クィアネスにあふれた作品なんですね、これは。そこがとても斬新で、よかったです。

女のコ同士のお話その2:「PHARMACY」について

男も女も両方イケる看護婦「千里」が、入院患者のボーイッシュ少女「いくえ」を美味しくいただいてしまうお話。ふたではなくて純粋に女同士のお話なんですが、当然のごとくえっちはお尻で行われます。いわば「指と舌」ならぬ「指と尻」。超エロエロ。ただしふたりの間に恋愛感情はなく、後日譚「Such a Lovely Place」「Home Sweet Home」の時点でいくえには彼氏もできてしまうので、♀♀ものとしては微妙なところもあるかも。濃密な官能描写という点ではほぼ互角ながら、単純に女性キャラ同士のラブ度の高さで言うなら、前述の「Girl To Love」の方がより上だと思います。

ショタな女装マゾ少年(複数)について

「1冊全体を通じて、オスオスしい男がひとりも出てこない」というのがこの本の特徴。表題作に登場する「リョータロ」を始めとして、男性キャラはほとんどが女性キャラにドレイとして調教されるショタ、しかもことごとくブルマだのスカートだのをはかされてご奉仕(性的な意味で)させられてたりします。いやらしくてけしからんのでもっとやってください。

絵柄について

繊細かつ大胆で質感豊かな絵だと思います。キャラの表情も可愛いです。

まとめ

既存のヘテロセックス規範(『男』が『女』の膣を犯すことこそセックスだ、みたいな)を完璧に無視し、独自のヘンタイ(褒め言葉)路線を突っ走りまくるエロ漫画でした。女のコ同士のお話の愛とエロがとてもよかったし、それ以外の収録作も皆強烈にいやらしくて面白かったです。お尻とふたなりとショタの要素が苦手な方は避けた方が無難ですが、そうでなければぜひどうぞ。