石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

「『ドラゴンエイジ・インクイジション』はゲイキャラがいるからインドでは売らない」EAが発表

ドラゴンエイジ:インクイジション (通常版) - PS4

米国のコンピュータゲーム販売会社エレクトロニック・アーツ(EA)が、インドなど3ヶ国でアクションRPG『ドラゴンエイジ・インクイジション』のリリースをやめると公表したそうです。理由は、同性愛要素が現地の法に抵触するおそれがあるから。

詳細は以下。

Dragon Age: Inquisition Will Not Be Available in India - Here's Why | NDTV Gadgets

『ドラゴンエイジ・インクイジション』では、プレイヤーが自分の選択で同性愛、異性愛、両性愛のロマンスを楽しめる上に、完全にゲイなキャラクタ「ドリアン」も登場するんだそうです。バイセクシュアルのロマンスが楽しめた前シリーズ『ドラゴンエイジII』よりさらにオプションが増えた形になりますが、今回販売中止になるのは『インクイジション』だけで、『ドラゴンエイジ』系列の他作品や、『マスエフェクト』などのゲームには影響しないとのこと。

『ドラゴンエイジ・インクイジション』のトレイラーはこんなです。確かに後半にちらっとゲイっぽい(気のせい?)組み合わせが出てくるかも。

リリース中止となるのはインド、バングラデシュ、パキスタンの3ヶ国。既にこの作品を予約済みだった場合は、個別に払い戻しされるそうです。このニュースはEAのオンラインストアで2014年11月半ばに発表され、同社のサイモン・スミス=ライト(Simon Smith-Wright)アジア太平洋地域マーケティング部長も裏付けているとのこと。

なお、ゲーム配給会社「マイルストーン・インタラクティブ」によれば、EAはこの作品が現地のどの法律に違反するのか明言してはいない模様。

さて、こういうニュースが流れると「ゲームに同性愛/両性愛要素を入れないと叩かれる、入れればリリース中止、いったいどうしろって言うんだ!?」のように悲憤慷慨なさる方が必ず出てくると思うんですが、そりゃもう「どうするもこうするも、自分で選べば?」としか。どっちの立場に立って、どんな言葉やアクションを世に示すのか、自分で選ぶしかないじゃん。そんでその結果を引き受けるしかないじゃん。

EAは以前からLGBT支持を表明しており、そのせいでバッシングされてもいます。にもかかわらずゲームの同性愛/両性愛要素を消さず、極端にアンチゲイな国では最初から「売らない」という選択肢を選んだという点で、背骨が通った行動をしているとあたしは思います。「どうしろって言うんだ」なんてゴネてみせたところで誰も唯一解なんかくれないんだから、歴史のどっち側に立つかぐらい、自分で選びゃいいのよ。