石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

冬休みには帰省する? パートナーは連れて行く? 同性愛者の帰省に関する調査結果をインフォグラフィック化

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同性愛者向けのマーケティング会社「ターゲット10」が、計150人のゲイとレズビアンに冬期休暇での帰省についてアンケートをおこない、結果をインフォグラフィック「ホーム・フォー・ホリゲイズ」にまとめて発表しました。これがなかなかに興味深いのよ。

Target 10 Releases 'Home For The Holigays' Infographic Detailing Queer Holiday Travel Experience

インフォグラフィックはこんな感じ。

米ハフポストにはもっと大きい画像が載ってますから、じっくり読みたい方はそちらをどうぞ。

このインフォグラフィックを見るに、アンケート回答者150人の内訳は、35%がレズビアンで65%がゲイ男性。「ここ3年間の間に、冬期休暇で帰省しましたか」という問いに対し、YESと答えた人は83%、NOと答えた人は17%。

NOと答えた人が帰らなかった理由が3つ挙げてあるんだけど、どれもうなずけるものばかりでした。

血の繋がった家族より自分で選んだ家族のほうがいい。そっちの方がストレスが少なく、楽しいことが多い。

帰るべき家はありません。今では、家族とはわたしとわたしの妻のことです。

お金が足りないし、ストレスフルな騒ぎが多すぎるから。

「あなたはわたしですか」といちいち思っちゃったわ。性的指向云々以前に、帰りたくない/帰れない実家ってありますもんね。もちろん、ホモフォビアがもとで亀裂が入っちゃったご家庭もいっぱいあるんでしょうけど。

なおシングルの人の場合、帰省時に恋愛関係の質問をされた人が55%いるようです。でも、シングルの人で、完全にカミングアウトしている人は53%しかいません。ということは、残りの47%は、このような質問に対しウソをつくなり、はぐらかすなりしなくちゃいけないわけ。いずこも同じ苦労よねー。

一方パートナーありの人の場合、意外にもかなりオープンな人が多いみたい。9割の人が帰省中もパートナーと同じベッドルームで寝ているし(しかもこれ、別に比較的リベラルな東部や西部だけの話じゃないんですよ)、「(帰省中、家族の前で)パートナーに対し、どの程度まで愛情表現しましたか」という問いへの回答はこんなでした。

  • まったく隠さず愛情を示した……48%
  • 隠してはいないが積極的に愛情を見せつけてもいない……45%
  • あまり愛情を示さない……4%
  • 特定の家族にしかカミングアウトしていない……1%
  • ルームメイトだということにしてある……1%
  • パートナーは招かれていない……1%

つまり過半数が愛情表現を隠してないの。最初から招かれないパターンやクロゼットなパターンがもっと多いんじゃないかと想像していたので、この結果にはちょっと驚きました。全米で続々と同性婚が法制化されつつあるのは、こうした状況も影響しているのかも。

しかし日本だとどうかね、これ。親に関係を完全にオープンにしているカップルの場合、パートナー連れで帰省したら「新婚旅行のように布団をくっつけて敷かれて赤面した」とか、「『アンタら布団ひとつでいいでしょ?』と同じ布団に寝かされた」とかいう微笑ましい話も聞きますが、そもそもカミングアウトしていない人も相当な数いるんじゃないかと思います。そのへん、もうちょっと風通しよくなるといいよねー。あと「帰省せずんば人にあらず」みたいな変な実家至上主義または血縁信仰も、早いとこ撲滅されてほしいです。「家族」も「休暇」も、リラックスできてなんぼですからね。既に感謝祭シーズンに入った米国とは違い、日本の冬休みはまだまだ先ですけど、性的マイノリティーの皆さまが今年も無事休暇をサヴァイヴされることを祈ります。