石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

レズビアンの娘を銃で脅した容疑で父親逮捕 カミングアウトで激高

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米国ノースダコタ州ウエストファーゴの47歳の父親が、レズビアンの娘からカミングアウトされて激怒し、実弾入りの拳銃をつきつけて「殺す」と脅したとして逮捕されました。

詳細は以下。

Upset she's a lesbian, West Fargo dad accused of pulling gun on teen daughter | Grand Forks Herald

ウエストファーゴ署が、ガソリンスタンドで男が車のバックシートに座っている人たちに銃をつきつけていると通報を受けたのは2016年2月21日のこと。現場にかけつけた警察は、娘や親戚と一緒にこのガソリンスタンドに来ていたカミラン・バキール(Kamiran Bakir)容疑者から銃を押収し、逮捕しました。

同容疑者は警察に対し、娘がレズビアンだと知って怒っていただけで、危害を加えるつもりはなかったと話したとのこと。裁判書類によればこの娘さんは16歳か17歳で、父親はガソリンスタンドで彼女を脅す前に「おまえが18歳じゃなくてよかったな、18歳なら頭に弾丸を撃ち込んでいたところだ」と言っていたと話しているそうです。

親戚のひとりは警察に対し、バキール容疑者は宗教が理由で娘の性的指向を嫌がっていたと述べています。警察は同容疑者の宗教はイスラム教だと考えているとのこと。

本人がどんなつもりだったにせよ、実弾を装填した銃を人につきつけた時点でそれはもう危害だし、虐待でもあるはず。バキール容疑者は2月24日に保釈金1000ドルを払って保釈となり、次の法廷審問は3月30日だとのことですが、それまでの間に娘さんがまた危険にさらされるのではないかと心配です。というのは、父親が性的指向を理由に娘やその恋人を殺すという事件は、米国内だけでもこれまでに何度も起きているから。

テキサス州ではレズビアンの娘を鈍器で撲殺し、娘の恋人も射殺してふたりの死体をコンビニ外のゴミ箱に捨てた父親というのがいましたし、フロリダ州のある父親は、娘のガールフレンドを「娘を悪い道に引きずり込んだ」として絞め殺し、死体を空き家に放置していました。さらにめちゃくちゃなのは、2歳の娘に男を怖がらせてレズビアンにさせようともくろみ、娘が死ぬまで殴り続けたミシガン州の父親。娘の性も人生も、おまえらの所有物じゃねえぞクソどもが。

今回のノースダコタの事件を報じるAdvocateの記事では、「宗教の教えと反していても子供の性的指向を受け入れる家族もたくさんある」、「イスラム教の信者にもLGBTを支持する人はたくさんいる」として、写真家のサムラ・ハビブ(Samra Habib)氏が手がける写真プロジェクトJust Me and Allah: A Queer Muslim Photo Projectを紹介しています。そう、悪いのは「宗教」でも、ましてや「イスラム教」でもないはず。責められるべきは、娘の身体や心を自分の書いたシナリオ通りに操作・支配する権利があると思い込んでる父親どもの思い上がりでしょう。この娘さんがこれ以上怖い目に遭わずに安心して暮らせるよう、切に祈ります。