石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

兵庫県宝塚市、同性カップル証明書条例検討へ(追記あり)

Hankyu Takarazuka Station
Hankyu Takarazuka Station / Hyougushi

2015年3月24日、兵庫県宝塚市の中川智子市長が、同性カップルを「夫婦と同等」と認める証明書を発行する条例の検討を始めると発表しました。4月に検討会を設置予定とのこと。

詳細は以下。

宝塚市:LGBT支援策 同性カップル証明書 条例検討へ - 毎日新聞

検討会は十数人の課長級職員で構成。条例制定への検討のほか、LGBTへの理解を求める冊子の作成や相談窓口の設置にも取り組むという。中川市長は「渋谷区の動きがきっかけとなり、議論を進めることにした。行政にできることを考えたい」と述べた。

渋谷区世田谷区横浜市ときて、次は一気に関西に飛びましたか。条例については実際の条例案を見てみないと何とも言えませんが、少なくとも冊子や相談窓口ができるのはいいことなのではないかと。

議論が進むのも、とても大事なことだと思います。2月に渋谷区が「同性パートナーシップ証明書」条例案の提出を発表して以来、ほんの1ヶ月半ほどしかたっていないのに、これまで同性間の結婚やパートナーシップについてほとんど考えたことがなかったような人でさえ意見を言い始めているでしょう。このようにたくさんの人々が口を開き、活発に持論を披露することが重要なのであって、それなしで制度だけ変えても意味はないと自分は思っています。

ちなみに、同性婚または同性パートナーシップがなぜここまでコントロヴァーシャルな話題なのかについては、ルイ=ジョルジュ・タン編『<同性愛嫌悪(ホモフォビア)>を知る事典』(明石書店)の、以下の分析(p. 402)が参考になるのではないかと。

要するに、同性婚は規範を再考することを余儀なくする。もし、もはや同性愛が、結局は人びとを安心させる型通りの転覆ではないとすれば、結婚の異性愛性も規範として正当化されない。動揺させられているのは、異性愛主義(ヘテロセクシズム)だけではなく、性差別の最も堅固な根拠である。

そんなわけで、規範を再考したくない人、異性愛主義や性差別を現状通りに保ちたい人からは当然バックラッシュが出てきますわな。そこを踏まえてどう議論を展開していくかが、今後ますます重要になっていくんじゃないでしょうか。

〈同性愛嫌悪(ホモフォビア)〉を知る事典

〈同性愛嫌悪(ホモフォビア)〉を知る事典

追記

2015年11月30日、宝塚市は、パートナー宣誓書を提出した同性カップルに2016年6月から証明の受領証を発行する予定を発表しました。詳しくは以下を。