石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

アイルランドの子供達は同性婚に「YES」(動画)

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2015年5月22日に同性婚の是非を問う国民投票が予定されているアイルランド。同性婚というと必ず子供のことが争点になるのに、肝心の子供達の声が無視されていると感じたひとりのお母さんが、ユニークな動画を作りました。

詳細は以下。

Irish Kids Encourage Citizens To Vote 'Yes' On Marriage Equality Referendum

動画はこちら。

この動画では、アイルランドに住む4人の子供達に多様な家族像や同性カップルの親を持つ子、そして同性婚について尋ね、自由に答えてもらっています。問いかけの部分は文字で表示されるので、非英語話者が見てもわかりやすいです。やりとりをちょっとだけ訳すと、こんな感じ。

  • 「いろいろな家族の話をしましょう」
    • 世界中がいろいろなのはいいことだと思う。
    • どの家でも違う経験ができるし。
    • みんな同じだったらつまらないよ。
  • 「ゲイ・ファミリーの子は他の子と違っていると思う?」
    • (全員首を振って)ううん。
  • 「結婚の平等の投票について、どう思う?」
    • 賛成すべきだと思う。(『なぜ?』と訊かれて)さあ。ただ、家族を一緒にいさせてあげるのは親切なことだと思うの。

かわいいねえ。「同性カップルが子どもを持ったらいじめられる!」などと想像で決めつけて騒いでいる方々は、この子たちに対して失礼だと思います。

以下、この動画のYouTubeの説明文から引用してみます。

ここしばらくの間、メディアでは人々が伝統的でない家庭の子供達について、とりわけ同性愛者の親に育てられている子どもたちについて話し続けています。ふたりのママを持つ息子の母親として、わたしはこれらの発言の中には真実でないものがあり、現在のアイルランドの子供達の実生活が反映されていないと気づきました。討論が子供達の声を欠いていることに、わたしは失望するようになりました。子供達に自分の声を聞いてもらうチャンスを与えるため、何かしたいと思いました。

Over the past while in the media, people have been speaking about children in non-traditional families, particularly children raised by gay parents. As the mother of boy who has two moms I found some of the things said untrue and not reflecting kids’ real lives in Ireland today. I grew frustrated with the lack of kids’ voices in the debates that are going on about them. I wanted to do something that would give kids a chance to have their voices heard.

それで作ったのがこの動画なのだそうです。

この動画を見ていて「あらやっぱり」と思ったのは、「ゲイ・ファミリーの子は他の子と違っていると思う?」という問いに対して、全員が「ううん」と答えたところ。これはふたりの母を持つ青年、ザック・ウォールス(Zach Wahls)が著書の中で書いていたことと一致していると思います。ザックはこう書いたんです。

断言するが、今までぼくに実際に会った人の中で、ぼくが同性愛者のカップルに育てられたことに予備知識なしに気づいた人はひとりもいなかった。1度たりとも、そんなことはなかった。

I will proclaim that, to date, not once has anyone ever confronted me, having realized independently that I was raised by a gay couple. Not once.

なぜ予備知識がなければわからないのかというと、ゲイ・ファミリーの子は、ヘテロ親を持つ子と何も変わらないから。アイルランドのおちびさんたちは、この年齢でもう、そのことがわかっているんですね。

結局、ゲイ家庭の子はヘテロ家庭の子と何か違うのだ、だからいじめられるはずだというのは、ホモフォビアに充ち満ちた人の「そうであってほしい(そうすれば公然と同性婚を非難できるから)」という願望でしかないんじゃないですか。そういう親から憎悪を刷り込まれた子は、ゲイ家庭の子だと知ったとたんにいじめにかかるかもしれませんが、それはいじめられる側ではなくいじめる側の問題です。そんなもんを理由に「だから不平等なままにしておけ」と強弁するのは、盗っ人猛々しいってやつですよ。このアイルランドのちびさんみたいな子供たちによりよい未来を手渡すには、いじめにも不平等にも「NO」をつきつけるしかないと、あたしゃ思ってます。