同性婚法への賛否を問う郵送調査がこの9月に始まり、アンチゲイな人々によるネガティブキャンペーンが白熱しているオーストラリアで、「自分の家に『イエス』のイルミネーションをつけて同性婚賛成を表明しよう」という運動が始まりました。
詳細は以下。
Fairy lights for marriage equality are lighting up homes across Australia
オーストラリア政府は、この郵送アンケートの結果が出てからでなければ同性婚法案を起草しないとしています。しかしながら、婚姻の平等を支持する人々からは、このやり方では同性婚反対派によるネガティブなキャンペーンの悪影響が懸念され、フェアではないとして批判の声が上がっています。実際、反対派は目下、同性同士の結婚に「トランスジェンダー婚」という見当違いのレッテルを貼って反対を呼びかけたり、同性婚は異性愛者のカップルから「子供を盗む」行為だと主張したり、同性カップルの子供を嘘の統計で貶めるポスターを作ったりするなど、なりふり構わぬやりかたで同性愛者やトランスの人々を中傷する活動に邁進しているところです。この影響で、同性愛者向けのカウンセリングサービスの相談件数が急増したり、メルボルンのレズビアンカップルの娘が学校でいじめに遭ったりという実害も生じています。
そんな中、シドニーっ子のスティーヴ・スペンサー(Steve Spencer)さんが思いついたのが、自分の家の玄関先に「イエス」の文字のイルミネーションをつけることで婚姻の平等を支持すると表明するというキャンペーン。この運動は#putoutyourfairylights(あなたのイルミネーションをつけて)というハッシュタグとともに瞬く間に広まり、ソーシャルメディアにさまざまな「イエス」の写真が投稿されています。ちょっと今TwitterとInstagramで検索しただけで、こんな写真が見つかりました。
Just finished this masterpiece with my flatmates! Our house votes yes! Everybody #putoutyourfairylights #VoteYes #marriageequaility
— Laura Hammersley (@LauraAH110) 2017年9月11日
💜❤️💚💛 pic.twitter.com/jyQbbXbqY8
Day 5 of campaigning for #marriagequality, wanted to make sure the neighbours know where we stand #YESforEquality #putoutyourfairylights pic.twitter.com/u1VBoXusIb
— Ella Fabry (@EllaFabry) 2017年9月11日
Yes to you @atlas7775 and yes to #SSM2017 #putoutyourfairylights in #Adelaide. pic.twitter.com/1jtbMURew4
— Brog (@VMBugsy) 2017年9月11日
I have no #putoutyourfairylights so I'm doing this instead. #VoteYes #MarriageEquality #EqualityCampaign pic.twitter.com/XLvmfP7U3Z
— Cheryl Dods (@CherylDods) 2017年9月11日
以前国民投票で同性婚の是非を問うたアイルランドでは、「ノーと投票せよ」というキャンペーンが社会的・心理的にネガティブな影響をもたらしたということがその後の研究で判明しています。この研究によれば、アイルランドのLGBTIの回答者の8割がそのようなキャンペーンに動揺したと答えており、3分の2が不安や苦痛を感じたと言っていて、若い世代の方が年上世代より心理的ダメージが大きかったそうです。だから今回のオーストラリアの反同性婚キャンペーンの影響も決して軽視できないはずですし、目に見えるところに「イエス」の文字があるのはとても大切なことなんじゃないかと。オーストラリアでは2017年9月10日、シドニーで記録的な数の人々(2万人以上)が同性婚法制化を求めて行進したばかりですが、その2万という数字より、ご近所ではたと見つけた小さな「イエス」の文字の方が心のなぐさめになるってこともあると思うのよ実際。