石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

「ゲイ幸福度指数」世界第1位はアイスランド。最下位はウガンダ。さて日本は何位?

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主にゲイ&両性愛者男性向けの出会いサイト「プラネット・ロミオ」(PlanetRomeo)が、オンライン調査をもとに世界127ヵ国の「ゲイ幸福度指数」を発表しました。それによると、世界一ゲイが幸せな国はアイスランド。さて、日本の順位は。

詳細は以下。

Gay Happiness Index | PlanetRomeo » PlanetRomeo

結論を先に言うと、日本のゲイ幸福度指数は100点満点中50点で、全127ヵ国のうち43位でした。東南アジアの中では、タイ(16位)、台湾(34位)、フィリピン(41位)より下で、ベトナム(52位)、韓国(57位)、中国(63位)より上です。昨年1年間で自国のゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの男性をとりまく環境がどう変化したかについては、日本では「良くなった」と答えた人の数が、「悪くなった」と答えた人の数を上回っていたようです。

この調査はドイツのヨハネス・グーテンベルク大学マインツの協力のもと、世界127ヵ国の、18歳以上で主に同性愛者または両性愛者の男性11万5千人を対象におこなわれました。日本人の回答者は194人。それぞれの国のゲイ幸福度指数は、(1)世論(社会がゲイ男性をどうとらえているか)、(2)大衆の行動(ゲイ男性が他の人からどう扱われているか)、(3)生活満足度(ゲイ男性が生活にどれぐらい満足し、自己受容できているか)の3点にもとづいて算出されており、ランキングのベスト3は上からアイスランド、ノルウェー、デンマークでした。ワースト3はエチオピア、スーダン、ウガンダ。

ランキング表と合わせて発表されている、"Interesting Facts"(興味深い事実)のインフォグラフィックも非常に面白いです。個人的に目を見開かされたのは、「性的指向や性自認が原因で肉体的な暴力をふるわれたことはありますか」という項目でした。こんな結果だったんです。

  1度もない 1年以上前にある 昨年中にあった
ベスト20の国々 87% 11% 1%
全部の国 80% 14% 5%
ワースト20の国々 63% 21% 14%

ベストとワーストの間の差こそあれ、ワースト20ヵ国だって、平均して63%の人は一度も身体的暴力をふるわれていない*1んです。ということは、しばしば大真面目に主張されている「日本ではゲイだというだけで殴られたり殺されたりしない、だから日本はゲイフレンドリーな良い国♥」という意見は、かなり的外れなんでは。何でもそうだけど、北斗の拳みたいな極端にバイオレントな世界を夢想して「そうなってないから日本はスバラシイ、おまえ(ら)は恵まれている」っていうのは間違ってるわ、やっぱり。

他に、「性的指向や性自認に関する侮辱的なことばやジョークをここ半年以内で耳にした場所」の集計なども、たいへん興味深く読みました。結果はこんな。

  職場 学校 友人間 公共の場(バー、カフェなど)
ベスト20の国々 33% 24% 25% 46%
全部の国 50% 48% 51% 62%
ワースト20の国々 60% 61% 68% 71%

日本だと、たとえばSNSで「ほもぉ」とか言ってはしゃぎ回ったり、学校の先生が「ホモネタ」で生徒のウケを取ろうとしたり*2、職場で独身男性を揶揄して「あの人、これ?(片手の甲を頬にあてるしぐさをしながら)」と言ってニヤニヤしたりする行為などがこの「侮辱的なことばやジョーク」に相当すると思います。こういうのを「楽しいジョーク」、「『みんな』がやってるから別にいい」ととらえるのは、実にワースト国的な発想だよねえ。それが「みんな」であるかのように見えるのは、単に自分のまわりがホモフォーブだらけであるか、もしくは自分が勝手に「他の人も自分と同じぐらいホモフォビック」と決めつけているだけなのだという認識が、もうちょっと広まってくれるといいんだけど。

なお、この調査の手法や結果についてより詳しく述べた論文は、以下で読むことができます。「2015」とあるけど、来年以降もまた調査するのかしら。だとしたら、ぜひ継続して読んでいきたいです。

*1:念のため申し添えておきますが、だからと言ってこれらの国々のゲイ/バイセクシュアル男性が差別されていないという意味ではまったくありません。元記事またはこの調査の論文の、政策や法律、家庭・職場・学校などでの差別、自己受容度などの項目も合わせてご覧ください。

*2:これについては実例が『LGBTってなんだろう? からだの性・こころの性・好きになる性』(藥師実芳他著、合同出版)という本で紹介されてました。