石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

米連邦判事、レズビアンカップルを2人とも子の法的な母と認めるようユタ州に命じる

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2015年7月15日、米連邦裁判所判事がユタ州に対し、レズビアンカップルを2人とも子どもの出生証明書に母親として記載するよう命じました。このような法的判断がくだされたのは、全米での同性婚が認められて以来初とのこと。

詳細は以下。

Lesbian spouses must both be listed on baby's birth certificate, says federal judge | OregonLive.com

ユタ州ではこれまで、夫の合意に基づいてドナーから精子提供を受けた異性カップルでは、夫が子の法的な父親になることができました。子どもと血がつながっていなくても、です。しかし、精子提供で赤ちゃんを産んだレズビアンカップルの場合、出産していない方の配偶者は、子の出生証明書に親として記載されることができませんでした。これを不服とした既婚レズビアンカップルのアンジー・ロウさんとカミ・ロウ(Angie and Kami Roe)さんが訴えを起こし、今回の判決となりました。

ディー・ベンソン(Dee Benson)地裁判事は、判決文で以下のように述べたとのこと。

「州は、同性婚における女性配偶者を異性婚における男性配偶者と同じように扱わないことに対する正当な理由を明示できなかった。実際のところ、いかなる理由も明示できなかったのである」

"The state has failed to demonstrate any legitimate reason, actually any reason at all, for not treating a female spouse in a same-sex marriage the same as a male spouse in an opposite-sex marriage,"

同様の訴訟は他の州でもいくつか起こっています。なお、出生証明書云々に関して「たかが紙切れ1枚のこと」などと思ってしまった方のために、アーカンソー州での訴訟で指摘されていることを訳しておきますね。

この訴訟が明らかにしているのは以下のようなことである。両方の親の名前が出生証明書に記載されていないということは、産みの母ではない側が子どもの社会保障番号やパスポートを取得したり、子どもの医療や教育についての判断を下したり、子どもを保険に入れたり、離婚したとき子どもとの関係を維持したりできないということなのだ。

The lawsuit points out that, without both parents’ names on a birth certificate, it can make it harder for the non-birth mother to get Social Security numbers or passports for the child, make medical and school decisions for them, put them on their insurance, or protect their relationship in the case of a divorce.

こうした問題が起こるのは、生殖医療にまつわる法律が、異性婚カップルのことしか想定していないから。OregonLive.comによれば、UCLAの教授で家族法の専門家Douglas NeJamie氏は、同性婚を禁じたがっている州では今後このような問題がさらに増えるだろうと言っているとのこと。

「同性婚カップルを苦しめて差別するには簡単なやり方ですからね」と彼は述べた。

"This is an easy way to actually try and discriminate against same-sex couples," he said.

てなわけで、やっぱり「同性婚が認められました、よかったね☆」で終わりじゃないんですよ。いくら連邦最高裁が同性婚容認判決で法の下の平等を強調しようと、理解できない人/理解したくない人にとっては馬の耳に念仏。英語風に言えばアヒルの背中に水。今回のような判例を積み重ねて、「差別したくてもできない」というところまでもっていくしかないんでしょうね。