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石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャー。

日本マクドナルド、男性から男性へのキスを「罰ゲーム」として描くCMをリリース(追記あり)

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日本マクドナルドが、公式TwitterアカウントおよびYouTubeチャンネルで、男性から男性へのキスを「罰ゲーム」として描くCMを発表しました。

動画はこちら。(※追記:2016年12月8日23時現在、YouTubeの動画も公式Twitterのツイートも削除されたようです

CM内では、テーブルを囲む5人の登場人物が「ナゲットゲーム」なるゲームに興じる様子が描かれています。動画のオチは、「ゲームでミスをした男性が『罰ゲーム』として後ろから両腕を押さえつけられ、他の男性から頬にキスされて嫌そうな顔をする」というもの。

それではここで、フランスのマクドナルドが2010年に発表したCMを見てみましょう。

これは仏マクドナルドの"Come as You Are" というキャンペーンの一環として制作されたもので、クロゼット・ゲイの10代少年とそのお父さんの会話が描かれています。英語字幕を訳すと、こんな感じです。

少年(携帯電話に出て)「もしもし」
少年「ぼくも君のことを考えてたよ」
少年「今、クラス写真を見てる」
少年「ぼくも恋しいよ」
少年「父さんが来るから切らなきゃ」

父親(マックのトレイをテーブルに置き)「ほら」
父親「これはクラス写真か?」
父親「お前は父さんの若い頃にそっくりだな」
父親「父さんはそりゃあ女にモテたんだぞ」
父親「お前のクラスが男子クラスなのは残念だな」
父親「お前ならどんな女子にもモテモテだったろうに」

(字幕)そのままのあなたで。

(マクドナルドのマーク)

引き続き、台湾マクドナルドが2016年にリリースしたCMもどうぞ。

こちらは、ゲイの青年からお父さんへのカミングアウト・ストーリー。息子から「我喜歡男生(わたしは男性が好きです)」と書かれたマックカフェのカップを見せられたお父さんは、難しい顔をして一旦席を立ちます。しかしその後、自分の分の飲み物を買ってテーブルに戻ってきたお父さんはフェルトペンを手に取り、青年のカップに三文字書き加えます。出来上がった文章は、「我『接受你』喜歡男生(わたしは、おまえが男性が好きなことを受け入れるよ)」でした。

別に日本のマクドナルドにもフランスや台湾と同じ路線のCMを作れとはいいません。すべての国のすべての企業がゲイ・フレンドリー路線をアピールする必要はありませんし、実際同じマクドナルドでも、米国ではこのフランス版のCMを放映しないという判断を示したりしてますしね。しかしながら、今回の日本マクドナルドのCMのように、わざわざ男性から男性へのキスを「『罰ゲーム』であり笑いの対象」として描くようなキャンペーンをおこなうのは、それとはまた別の話です。これではもう、フレンドリーかそうでないかという域を超えて、「当社は巷の同性愛嫌悪の尻馬に乗ってはしゃぐことに何ら疑問を感じない企業です」と積極的にアピールしているも同然でしょう。その無邪気な遅れっぷりが嘆かわしいよ。

いち同性愛者として思うのですが、この手のギャグのつもりのホモフォビアの何が迷惑かって、クロゼット・ゲイが「いちいち周囲と一緒になって笑わないと怪しまれる」という踏み絵状態に追い込まれやすいことです。一度や二度ではたいしたダメージがなくても、まだ心が柔らかい子供のころから延々これをやらされるのは楽しいもんじゃありませんよ。マクドナルドはもともとほとんど利用しないので、あたしがボイコットしたところであまり意味はありませんが、それでもとにかく自分が今後国内でマクドナルドを利用することはおそらくないと思います。あたしのお金はモスバーガーに貢ぐよ。そろそろ玄米餅のおしるこがおいしい季節だしね。