石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

今週の未紹介LGBTニュース(2018年4月8日)

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ルイジアナのトランス生徒、卒業アルバムの写真に女性として映る権利を勝ち取る

Transgender Teen Defeats Principal Who Barred Her From Wearing "Feminine Attire" In Yearbook Photo | NewNowNext

米国ルイジアナ州のトランス女性キャミ・ファム(Kami Pham)さんは、同州シュリーブポートにあるサウスウッド(Southwood)高校の最上級生。彼女がピンクのポロシャツとウィッグを身に着けて撮った以下の写真をイヤーブック(日本で言うと卒業記念アルバムに相当するもの)に載せようとしたところ、規則違反だからカットすると言われたのだそうです。

同高校のジェフ・ロバーツ(Jeff Roberts )校長の意見では、出生証明書に記載されている性別と「矛盾する」服装は規則違反であり、ファムさんが女物の服やウィッグを着用し続けるなら卒業式にも参加できないとのこと。しかしながらファムさんの友達が、学校の服装規定には性に関して特定的なことは何も記載されていないと指摘し、ファムさんが女性としてイヤーブックに載る権利を求める署名運動も開始されました。これに4600筆以上の署名が集まり、ロバーツ校長は引き下がったとのこと。

ファムさんの友達、タチアナ・コットン(Tatjana Cotton)さんがKTBS-3に話してることがいいんですよ。

「わたしが同じ服装をしても何の問題もないのに、どうしてただの出生証明書が理由でキャミには違った扱いをするわけ?」

"If I wore that same outfit, there would be no problem, no one would say anything. So why treaty Kami any different just because of what her birth certificate says?"

本当にその通りだわ。

ベネズエラの飛び込み選手ロベルト・パエスがゲイとしてカミングアウト

This gay Olympic diver will never surrender to fear - Outsports

ベネズエラ代表として2012年と2016年の五輪で戦った飛び込み選手、ロベルト・パエス(Robert Páez)が、上記リンク先のエッセイで、自分がゲイであることを公表しています。小さいときから自分は人と違うと気づいていたこと、でもこれが生まれつきなら神が自分をそのように創ったのであり、人が「ホモっぽさ」("mariconería")と呼ぶこともプライドと勇気をもって受け入れるべきだと思ったということ、18歳で母親に「恋をしている」と告げたら「相手は男の子、女の子?」と訊かれ、つまり最初からばれていたということ等々が簡素にして当を得た文で綴られており、たいへん面白いです。

なお、パエス選手はこんな人。

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仏五輪金メダリストがトランス女性としてカミングアウト

French Olympic gold medalist comes out as transgender - Outsports

アトランタ五輪(1996年)のカヌー・スラローム(カナディアンペア)で金メダルを獲得したSandra Forgues(以前の名前はWilfrid Forgues)が、L’Equipeのインタビューで、トランスジェンダーであることを公表しました。彼女が性別移行を決意したのは今からおよそ1年半前で、それまでは社会的には成功していても、私的な生活についてはまるで刑務所の中にいるように感じていたとのこと。

元記事でも触れられていますが、五輪メダリストでトランスジェンダー女性であることを公表した選手にはほかにケイトリン・ジェンナー(Caitlyn Jenner)がいます。トランス男性では、シドニー五輪(2000)で6位に入賞したドイツの棒高跳び選手、Balian Buschbaumが2008年にカミングアウトしています。

ヘイリー・キヨコがジミー・キンメル・ライブで新曲披露

オープンリー・レズビアンの米歌手ヘイリー・キヨコ(Hayley Kiyoko)が、ジミー・キンメル・ライブに出演し、新曲"Curious"を歌いました。


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Curious [Explicit]

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イアン・マッケランのドキュメンタリー映画『McKellen: Playing the Part(原題)』トレイラーが公開される

Ian McKellen Shows All Sides Of Himself In New Documentary Trailer | NewNowNext

オープンリー・ゲイの英俳優、サー・イアン・マッケランの人生と業績を描くドキュメンタリー映画『McKellen: Playing the Part(原題)』のトレイラーが公開されました。

動画はこちら。

ポスターはこちら。


アイルランドで性教育にLGBTイシューを含める動き

Ireland paves way for LGBT-inclusive sex and relationship education in schools · PinkNews

アイルランド共和国のリチャード・ブルートン教育相がが、同国のすべての学校における「人間関係と性の教育(RSE: relationships and sexuality education)」の内容を見直し、LGBTについて教えるためのガイドラインを作成するよう、全国カリキュラム・評価審議会(NCCA: National Council for Curriculum and Assessment)に求めたと発表しました。以下、ブルートン氏のことば。

「わたしはRSEのカリキュラムが、今日の若者のニーズを確実に満たすようになってほしいと考えています。今日の若者は、1990年代後半の若者が直面していたのとは異なる、さまざまな問題に直面しているのです。

“I want to ensure that the RSE curriculum meets the needs of young people today, who face a range of different issues to those faced by young people in the late 1990s.”

LGBTイシューについて教えるどころか性教育で「性交」「避妊」「人工妊娠中絶」という言葉を使うだけで問題視されてしまうどこかの国とは、えらい違いよね。

Grindr、HIV情報の外部共有をやめると発表

Grindr will stop sharing HIV data to third-party firms amid backlash - The Washington Post

ゲイ向けマッチングアプリのGrindrが、HIV検査結果を含むユーザの個人情報を外部の業者に提供していることが発覚して炎上したのち、第三者企業へのHIVデータ提供を中止すると決定したというニュース。

BuzzFeedによればGrindrはHIV検査結果に加えてユーザのGPS情報、セクシュアリティ、交際状況、エスニシティ、電話のID等まで平文で(つまり、簡単にハックされうる状態で)提供していたとのこと。このずさんさでは、いくら提供をやめると発表したところで失われた信頼は回復しないんじゃないかという気がするんですが、どうでしょう?

米国で今年少なくとも8人目のトランス女性が殺される

Transgender woman who was shot in her car died while people drove around her · PinkNews

2018年4月1日、米国サウスカロライナ州チェスタフィールド郡の路上で、トランス女性のサシャ・ウォール(Sasha Wall)さんが車の中で射殺された姿で発見されたというニュース。WSOC-TVによれば、運転席から小口径の銃の弾丸が発見されており、射手は車内か車のすぐ外にいたとみられているとのこと。

先週エイミア・ティレイ・ベリーマン(Amia Tyrae Berryman)さん殺害事件を報じたばかりなのに、もう8人目ってどういうことよ。めちゃくちゃすぎる。

南アで殺害された既婚レズビアンカップルは互いの面前でレイプされていた 検察が主張

既婚レズビアンカップルを暴行殺害か 南アで8人逮捕 - 今週の未紹介LGBTニュース(2018年1月21日) - 石壁に百合の花咲くの続報。南アフリカの既婚レズビアンカップル、ジョーイとアニーシャ・ニーカーク(Joey and Anisha van Niekerk)さんらが2017年12月10日に失踪し、焼かれた車と骨が発見された事件で、検察は彼女らが何度もレイプされたのちに殺害されたと法廷で述べたそうです。

検察側の証人Isaac Tlhape大佐は、まず被害者のうち片方が容疑者のひとりの家に連れ込まれてレイプされ、次にふたりとも縛られて閉じ込められた上でさらにレイプされたと主張しているとのこと。Tlhape大佐によれば、犯人らはその後ニーカークさんらをロープで首つりにして殺害し、ごみ箱に投げ込み、酸とガソリンをかけて火をつけたのだそうです。燃えやすいようにと、遺体の上には木だのごみだのも置かれたそうです。

このニュースを読んで真っ先に思い浮かべたのが、最近米国の右派活動家が、LGBT団体は「学校に忍び込んでわたしたちの子供の心をレイプしようとしている」と主張したというニュース。いやいやいやいや、実際にはLGBTピープルに憎悪を抱く異性愛者こそがこうやってLGBTピープルをレイプしてる(念のために言っておきますが、男性をレイプする男性の過半数はヘテロセクシュアルの自認を持っていると言われていますLisak, D.(1996)らによれば、その割合は98%です)んですよ。しかも心どころか肉体を。おまけに命まで奪って。