- 映画『プリティ・プリンセス』のヘザー・マタラッツォがヘザー・ターマンと婚約
- ママが大工さんにゲイ息子の写真を送付。予想外の結果に
- 子供のいる同性カップルがクロアチアの絵本に登場 同国初
- 第29回GLAADメディア賞(2018)のノミニー発表
- ジョージ・マイケル、生前ひそかにAIDSチャリティに多額の寄付 ボランティアの手伝いも
- 広辞苑、「LGBT」の項目で修正を含め対応を検討
- 英学校、生徒の美術作品をステッカーで「検閲」 原因はレズビアンカップルの描写
- カール・ヒグビー、差別発言で政府職を辞任
- 既婚レズビアンカップルを暴行殺害か 南アで8人逮捕
映画『プリティ・プリンセス』のヘザー・マタラッツォがヘザー・ターマンと婚約
'Princess Diaries' Star Heather Matarazzo Is Engaged To Writer-Comedian Heather Turman | HuffPost
映画『プリティ・プリンセス』シリーズで主人公ミアの親友リリー役だったヘザー・マタラッツォ(Heather Matarazzo)が、コメディアン/脚本家/俳優のヘザー・ターマン(Heather Turman)との婚約をInstagramで発表しました。全然知らなかったんだけど、マタラッツォは『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』のプロモーション中(2004)にレズビアンとしてカミングアウトしていたのだそうです。
婚約発表のInstagramポストはこちら。
キャプションにはパウロ・コエーリョからの引用文の後に、「何日か伏せておいたのですが、1月11日にわたしは結婚を申し込み、彼女はイエスと言いました。死ぬほど愛してる、ターマン」と書かれています。
これまでのおふたりの写真はこちら。
おめでとうございます、お幸せに。
ママが大工さんにゲイ息子の写真を送付。予想外の結果に
People Are Laughing After This Mother Sent Her Gay Son's "Smut" Photos To A Woodworker
Soooo my mom & dad are commissioning a recreation of the unicorn mirror they bought me from an estate sale because my sister is jealous she didn’t get one as well, & this is the result of me not getting back to her quick enough... pic.twitter.com/9AbFy8Sp8o
— Sohail (@sideofhail) 2018年1月10日
米国ミネソタ州のあるお母さんが、以前ゲイの息子のSohailさんに買ってやったユニコーンの鏡と同じものを娘にも贈ろうと考え、職人さんに製作を依頼。製作にあたり鏡の写真が必要だったのですが、「写真を送って」というお母さんの依頼にSohailさんがすぐ応じずにいたところ、お母さんから「おまえのゲイエロ写真("gay smut photos")」で間に合わせたというテキストメッセージが届いたとのこと。ええ、上記ツイートに添付されている写真のことです。ちなみに職人さんの反応はこんなだったとお母さんは説明しています。
「この写真の男を支払いの一部にしてもらえないかって聞かれたわ。ゲイってどこにでもいるのね!!!」
HE ASKED IF PART OF HIS PAYMENT CAN BE THIS MAN IN THE PHOTOS. THE GAYS ARE EVERYWHERE!!!
楽しいお母さんだなあ。そもそもゲイの息子さんにユニコーンの鏡を買ってあげたところからして、ファビュラスだよねー。
子供のいる同性カップルがクロアチアの絵本に登場 同国初
Croatia just got its first same-sex parents kids book and it’s sold out already · PinkNews
クロアチアで初めて、子供のいる女性同士のカップルが出てくる絵本がリリースされたというニュース。‘My Rainbow Family’ というタイトルのこの本は、既に500部が売れているそうです。絵柄はこんな。
Croatia just got its first same-sex parents kids book and it’s sold out already https://t.co/FtsZaUTe5Y pic.twitter.com/aEqpfz9rhQ
— PinkNews (@PinkNews) 2018年1月20日
子供というのは別に異性愛者が男女で恋愛したり結婚したりするから生まれてくるわけではなく、卵子と精子が結合すれば(そして受胎し、順調に成長すれば)生まれてくるもの。同性カップルが養子を迎えることを法的に認めた国も増えているし、今後こういう本の需要は世界中で増していくのでは。
第29回GLAADメディア賞(2018)のノミニー発表
GLAAD Media Awards 2018: Nominations Announced | Time
公正、正確、包括的な表現でLGBTQコミュニティに貢献したメディアや人物をたたえるGLAADメディア賞(GLAAD Media Awards)の、2018年度のノミニーが発表されました。
今年から新たに「最優秀キッズ&ファミリー番組賞」(Outstanding kids & family programming)が設けられ、『スティーブン・ユニバース』や、『ドックはおもちゃドクター』の2人のママがいる家庭が登場した回などがノミネートされています。他に今年の特徴としては、非白人のLGBTQの物語が多くのカテゴリーでノミネートされていることと、バイセクシュアル+(バイセクシュアル、パンセクシュアル、フルイド、クィア等々)のキャラクタやクリエイターのノミニーが多いことなどが挙げられるようです。
ノミニーの全貌は、GLAADによる以下のツイートをどうぞ。
The nominees for OUTSTANDING COMEDY SERIES
— GLAAD (@glaad) 2018年1月19日
The Bold Type
Brooklyn Nine-Nine
Crazy Ex-Girlfriend
Modern Family
One Day at a Time
One Mississippi
Superstore
Survivor's Remorse
Transparent
Will & Grace #GLAADAwards pic.twitter.com/chcYDQa2TI
The nominees for OUTSTANDING DRAMA SERIES
— GLAAD (@glaad) 2018年1月19日
Billions
Doubt
The Handmaid's Tale
Nashville
Sense8
Shadowhunters
Star
Star Trek: Discovery
This Is Us
Wynonna Earp #GLAADawards pic.twitter.com/h3KNnpzfmF
The nominees for OUTSTANDING REALITY PROGRAM
— GLAAD (@glaad) 2018年1月19日
Gaycation
I Am Jazz
RuPaul's Drag Race
Survivor: Game Changers
The Voice #GLAADawards pic.twitter.com/djvYwoAqWy
The nominees for OUTSTANDING MUSIC ARTIST@MileyCyrus@halsey@HONEYDIJON@OfficialKehlani@kelelam@KeshaRose@perfumegenius@samsmithworld@st_vincent@wrabel pic.twitter.com/xlKRSvvDhz
— GLAAD (@glaad) 2018年1月19日
The nominees for OUTSTANDING KIDS & FAMILY PROGRAMMING
— GLAAD (@glaad) 2018年1月19日
Andi Mack (Disney Channel)
"Chosen Family" Danger & Eggs (Amazon)
"The Emergency Plan" Doc McStuffins (Disney Channel)
The Loud House (Nickelodeon)
Steven Universe (Cartoon Network)#GLAADawards pic.twitter.com/qGvKT2bVtm
The nominees for OUTSTANDING FILM – WIDE RELEASE
— GLAAD (@glaad) 2018年1月19日
Battle of the Sexes
Call Me by Your Name
Lady Bird
Professor Marston and the Wonder Women
The Shape of Water
#GLAADawards pic.twitter.com/JNAYJhqryD
ジョージ・マイケル、生前ひそかにAIDSチャリティに多額の寄付 ボランティアの手伝いも
What George Michael secretly donated to this AIDS charity is truly staggering and moving / Queerty
2016年のクリスマスに亡くなった歌手のジョージ・マイケルが、生前LAのAIDSチャリティに約50万ドルもの寄付をし、病気のため買い物や調理が困難な人々に食事を提供する手伝いもしていたというニュース。本人の意向により、寄付先のProject Angel Foodは彼の貢献について公表しないでいたのだそうです。同プロジェクトは2017年、ジョージ・マイケルに「リーダーシップ賞」を贈りましたが、そのことについてエグゼクティブプロデューサーのRichard Ayoubさんは以下のように話しているとのこと。
「わたしたちは彼が生きている間に何度も表彰しようとしたのですが」とAyoubは言う。「彼はまったく興味がなかったんです。それで、彼が亡くなったとき、わたしたちはこう思ったのです。『よし、今そうしなければ』と」。
“We tried to honor him multiple times when he was alive,” says Ayoub, “and he was never interested, so when he passed away we thought, ‘OK, we’ve got to do it now’.”
ジョージ・マイケルはゲイのセックスについても「生きるアクティヴィスト」とでも言うべき人だったと思うんだけど、こんなこともしてたのね。クールだ。
広辞苑、「LGBT」の項目で修正を含め対応を検討
広辞苑が「LGBT」など新収録するも定義がヘン - 今週の未紹介LGBTニュース(2018年1月14日) - 石壁に百合の花咲くの続報。『広辞苑第七版』の公式Twitterアカウントが2018年1月12日、以下のようにツイートしました。
広辞苑第七版の「LGBT」の項目での説明につきまして、修正を含め対応を検討しております。追ってまたこのアカウントでもお知らせいたしますので、少々お待ち下さいませ。
— 『広辞苑第七版』2018年1月12日発売 (@Kojien7) 2018年1月16日
これまでのいきさつはこちら。
個人的な想像なんですが、ひょっとしたら広辞苑の「LGBT」の説明が妙なことになってしまった原因は、用例収集のまずさにあったのではないかと思います。日本語圏の報道などでは「LGBT」の語が間違った意味で使われていることが非常に多い(例:『ゲイ男性』について記述するのに『LGBT男性』と書くなど)ため、そのような間違いに気づかず単純に用例として扱ってしまっていた場合、辞書の説明も当然おかしなものになってしまうでしょうから。「検討」の過程でまた怪しい和製英語としての「LGBT」の例ばかり参照して、このままでいいという結論が出されてしまわなければいいんですが。
なお広辞苑の今回の誤りに関しては、「LGBT」という語が生まれてきた歴史的経緯や、その語に関する先行議論などをまったく知らないとおぼしき人が頓珍漢なことを言っている(例:『そもそも違うものの頭文字をつなげた性的少数者が悪い』)のをけっこう見かけました。これってLazarreが人種差別について言ったところの"willful innocence"(Lazarre, 1996)*1のセクシュアリティ版だと思います。牧村朝子さんの以下の記事などがもっと広く読まれてくれればいいのに。
英学校、生徒の美術作品をステッカーで「検閲」 原因はレズビアンカップルの描写
School censors student artwork showing same-sex couples
イングランドのギーズバラの学校、ローレン・ジャクソン・スクール(Laurence Jackson School)が、生徒が作った美術の作品にレズビアンカップルのキスなどが描かれているのを「性的に露骨」("sexually explicit")であるととらえ、それらの部分を「検閲済」("censored")と書かれたステッカーで隠してしまったというニュース。
ステッカーが貼られた作品の様子はこちら。
School censors student artwork showing same-sex couples but says the decision was not homophobic https://t.co/hg8yp1Ksks #LGBTI pic.twitter.com/nyrfzCbMCW
— GSN (@gaystarnews) 2018年1月14日
ステッカーで隠されてしまったのは、同性同士のキスや手つなぎ、レインボーカラーの下着など。作者のメガン・アンガス(Megan Angus)さん(16)は2017年に同校を卒業しており、2018年1月9日にこの絵を取りに学校に行って、初めて作品に何をされたか知ったのだそうです。アンガスさんはこの写真をFacebookに投稿し、「彼らがどうして検閲したのかわからない。美術展に行けば、そこでは検閲しないのに」と述べています。なお学校のスポークスパーソンは、このような措置をとったのは絵の中の「性的に露骨な」要素が原因であるとし、「中等学校として、これが若い生徒たちに及ぼすかもしれない影響に注意する必要があった」のだと説明しているそうです。
19世紀の英国では、ダビデ像の股間が石膏製のイチジクの葉っぱで隠されたことがあったそうです。でも21世紀の今、そんなことをする人はまずいません。マジョリティがたかが同性同士のキスごときでいちいち大騒ぎしなくなるまでにも、あと2世紀ぐらいかかるのかもね。
カール・ヒグビー、差別発言で政府職を辞任
2016年にトランプの政策顧問をつとめていたカール・ヒグビーが、過去にラジオでおこなってきた数々の差別的発言をCNNにすっぱぬかれたのち、国家及びコミュニティ・サービスのための協会(Corporation for National and Community Service, CNCS)の Chief of External Affairsを辞任したというニュース。
ヒグビーは2013年から2014年にかけて、ラジオで同性愛者について「道の真ん中を妖精やら何やらの恰好をしてドラァグ服で行進するな。わたしに押し付けるな。好かせようとするな、なぜならわたしは(ゲイが)嫌いだからだ。自分らでやってろ。向こうで、自分たちだけでやれ」などと発言したほか、以下のようなこともしゃべっていたのだそうです。
- イスラム教徒はチャイルドマレスターでゲイセックスを許容している
- 「黒人種」は「だらしない」
- 黒人女は「繁殖」すれば政府から金を引き出せると思っている
- PTSDの軍人の75%は嘘をついていて、深刻なPTSDを患っている軍人は心が弱い
- 武装したアメリカ市民が国境で書類のない移民を射殺することを許めるべき
……なんというか、日本の政治家にもたくさんいそうなタイプの人ではあります。日本と違うのは、CNNの報道の後CNCSからヒグビーが「ただちに」(Effective immediately)辞任したとする声明が出され、本人も以下のような謝罪コメントを出したということ。
I’m sorry. I’m not sorry that my words were published, I am sorry that I said them in 2013. Those words do not reflect who I am or what I stand for, I regret saying them. Last night I informed the WH that I was resigning so as not to distract from POTUS’ many success. #noexcuses
— Carl Higbie (@CarlHigbie) 2018年1月19日
ひとつ興味深いのは、ヒグビーがラジオでのアンチムスリム発言の中で、"sh**thole"という先日トランプが使って大騒ぎになった単語を使っていたことです。類は友を呼ぶってやつ?
既婚レズビアンカップルを暴行殺害か 南アで8人逮捕
Man who allegedly raped & burned a lesbian couple alive claims he was their ‘friend’ / LGBTQ Nation
南アフリカの既婚レズビアンカップル、ジョーイとアニーシャ・ニーカーク(Joey and Anisha van Niekerk)さんらが2017年12月10日に失踪し、焼かれた車と骨が発見された事件で男6人女2人が逮捕され、首謀者とされる男性がこのカップルと「友達だった」と主張しているというニュース。
ニーカークさんらはジョーイさんの父親の葬儀に行くため家を出たきり戻らず、その後道端で彼女らの焼け焦げた車が見つかり、近くの茂みから骨が発見されたとのこと。現在この骨がニーカークさんらのものかどうか同定するためのDNA鑑定がおこなわれているそうです。逮捕された8人は加重状況下での誘拐、強姦、住居不法侵入、殺人、強盗などの罪に問われています。首謀者とされる52歳男性は2014年に起こった別の殺人事件の容疑でも逮捕されており、自分はニーカークさんらの友達で、警察から暴力で自白を強要されたと言っているとのこと。
南アフリカは同性婚もできれば同性カップルへの有給育児休暇もある国だけれど、こういう事件はなかなかなくならないようですね。
*1:Lazarre, J. (1996). Beyond the Whiteness of Whiteness. Durham, NC: Duke University Press.