石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

今週の未紹介LGBTニュース(1018年12月30日)

ポパイハット 白いセーラー帽 徽章とブルーのライン 58cm

ゲイの帰還兵と夫のキス写真がヴァイラルに 保守派激怒

Sailor's same-sex kiss prompts cheers, jeers

7か月の海外任務から帰還した米国軍人ケネス・ウッディントン(Kenneth Woodington)さんが、フロリダ州の海軍補給基地で彼を出迎えた夫ブライアンさんとの情熱的なキス写真を公開。こんな写真です。

地元テレビ局がニュース番組でこのキスについて報じたところ、苦情のメールや電話が押し寄せたとの由。が、ウッディントンさんは気にしないと話しているとのこと。ブライアンさんも、祖母の教えを引いて、自分と違う生き方をしている人のことはもうそういうものだとして扱い、やさしさと敬意をもって対応しなければならないと言っているんだそうです。


ゲイポルノ俳優ふたりがクリスマスに婚約

Gay porn stars Casey Everett and Dominic Pacifico engaged at Christmas · PinkNews

ゲイポルノ界のスター、ドミニク・パシフィコ(Dominic Pacifico)とケイシー・エヴェレット(Casey Everett)が2018年12月27日、ふたりが今年のクリスマスに婚約したことを発表しました。

プロポーズの動画はこちらです。

おめでとうございます、お幸せに。

アダム・ランバートが“Believe”をカバー シェールの目に涙

Adam Lambert Brings Cher To Tears While Performing Show-Stopping Rendition Of ‘Believe’ | ETCanada.com

2018年12月26日、第41回ケネディ・センター名誉賞祝賀公演を米CBSが放映。アダム・ランバート(Adam Lambert)がシェール(Che)の名曲“Believe”をカバーし、観客席のシェールが涙を浮かべる場面が放送されました。アダムはその後、シンディ・ローパー(Cyndi Lauper)との“I Got You Babe”デュエットも披露。権利の関係で公式動画はないんですが、動画そのものは探せばだいたい見つけることができると思います。GIFは以下をどうぞ。


ジョージ・マイケル、死後2年間もチャリティに寄付

George Michael is still donating to an AIDS charity two years after his death - PinkNews · PinkNews

2016年のクリスマスに亡くなった英歌手ジョージ・マイケル(George Michael)の財産から、今もなおAIDSチャリティなどへの寄付が続けられているというニュース。ジョージが1993年から寄付してきたと言われるProject Angel Foodは、「ジョージから1年につき2万ポンド(約280万円)が振り込まれて、それから寄付についてのEメールが届いたんです。まったく魔法のようでした」と話しているとのこと。また全英児童虐待防止協会(NSPCC)からの情報筋も、Mirror Onlineに対し、ジョージから寄付が届いていると話しているのだそうです。

粋だねえ、ジョージ・マイケル。クリスマスのたびにそこらじゅうで死ぬほど流れる"Last Christmas"の印税が実はこういうところに回っていたのかもと思うと嬉しいわ。

AppleとAmazonがストアからアンチゲイなアプリ撤去 でもGoogleはそのまま

Appleが同性愛を「依存症」「病気」「罪」などと呼んでいた宗教アプリをストアから削除しました。このアプリは米国テキサス州のLiving Hope Ministriesというキリスト教団体が提供していたもので、祈りや「ゲイ治療(ex-gay)」のポッドキャストなどによって同性愛者を異性愛者に変えると謳っていたとされています。ゲイ権利団体Truth Wins Outは、2018年12月20日から同アプリの削除を求めるオンライン署名を開始していました。

Appleに引き続き、Amazonもこのアプリを撤去。しかしながら現時点でGoogleはまだアプリストアに同アプリを並べたまま(少なくとも日本時間で2018日12月30日現在、Living Hope Ministriesのアプリが削除されていないことを確認しました)で、対応が待たれているところです。

何度でも言うけど、ただロゴをレインボーカラーにしたり社員をプライド・パレードに参加させたりしてるだけでピンクマネーが流れ込むと思ったら大間違いなんで、こういうところはちゃんとしてほしいわ。ていうかこういうところをちゃんとしてくれれば、別に麗々しくレインボーの小旗振ったりしなくてもいいのよ?

ゲイ客の持ち帰り袋にホモフォビックなメモ添え解雇 米サウスカロライナ

Restaurant Apologizes for Serving Gay Customer Homophobic Leftovers | NewNowNext

米国サウスカロライナ州のレストランYesterdays Restaurant & Tavernの従業員が、ゲイ男性の客の持ち帰りの紙袋に"fag"(同性愛者男性を意味する強い罵倒語です)と書いた紙片を添えたとして解雇されました。このゲイ男性と一緒に同店を訪れていたというCyntrell Jones Legetteさんは、2018年12年16日、Facebokでこの紙片の写真を公開し、ことのいきさつを説明しています。それによると、 Legetteさんらが同レストランでLegetteさんのお母さんの誕生日を祝っていたところ、従業員のひとりが、ゲイ男性の持ち帰り袋にわざわざ"fag"と書いた紙を載せたのだそうです。これについて、店長は「冗談だとして言い抜けようとし」、話にならなかったとのこと。

Yesterdays Restaurant & Tavernは16日のうちにFacebookで謝罪コメントを出し、これは重大な問題であり、問題の従業員は即座に解雇したということこと、そしてこれだけでは地域のLGBTQの人々に対する同店の責任を果たしたことにはならないので、今後スタッフ全員のミーティングとトレーニングをおこなう予定であることなどを発表しています。日本でよく見かける「もしご不快になられた方がいれば謝罪します」みたいなふざけた謝罪とは180度違う立派な声明ではあるけれど、それでも疑問点がひとつ。"fag"は冗談だと言い張ってた店長への処分はないの?

「ゲイは乗せない」発言のタクシー運転手に1000ドル以上の罰金 米NYC

NYC Taxi Driver Pays a Hefty Price for Refusing to Drive a Gay Man | NewNowNext

2018年1月13日に乗客に向かってゲイなのかと何度も訪ね、「ゲイは乗せない」などと発言した米国ニューヨークシティーのタクシー運転手マーティン・モリソン(Martin Morrison)が、停職10日間と1100ドル以上の罰金を言い渡されたそうです。ニューヨークのタクシー・リムジン委員会(Taxi and Limousine Commission, TLC) は、モリソンはすでに停職期間を終え、罰金も支払って復職していると話しているとのこと。

上記リンク先の、NewNowNextによるこちらの見出し文がすべてですね。

寛容になることはタダでできる……しかし、仕事中にホモフォビックであることには、どうやら1000ドル以上かかるらしい。うっひゃー。

Being tolerant costs nothing...but being homophobic on the job apparently costs upwards of $1,000. Yikes.

インディ・ムーアが自分はポリだと発言

Pose star Indya Moore has come out as poly - PinkNews · PinkNews

トランスジェンダーで、ライアン・マーフィー(Ryan Murphy)のドラマ『Pose(原題)』で人気の役者インディ・ムーア(Indya Moore)が2018年12月27日、「自分はポリだとわかった(So, I realised I’m poly .)」とTwitterで発言しました。このツイートは今はもう消されているようですが、PinkNewsでスクリーンショットを見ることができます。

なお『13歳から知っておきたいLGBT+』(アシュリー・マーデル著、須川綾子訳、ダイヤモンド社)によると、「ポリ」の定義とはこんな。

ポリ(Poly-)/ポリセクシュアルまたはポリロマンティック(polyxexual/romantic):必ずしもすべてのジェンダーとはかぎらないが、複数のジェンダーに魅力を感じる人。

ファンたちはこの発言を歓迎し、「おめでとう!」「パーティーにようこそ」などとツイートしているとのこと。

人間のセクシュアリティのありようはストレートと「L」「G」「B」「T」だけじゃないとさんざん言われているけど、わからない人はとことんわからない(そもそもわかろうともしない)ので、こういうパブリックフィギュアによる発言は大切だと思います。なお、ポリセクシュアルとポリロマンティックの違いについてはFrom Ace to Ze: The Little Book of LGBT Termsという小さくて頼れる用語集がわかりやすくておすすめです。

トランス女性受刑者を女性刑務所に移送 1年間の法廷闘争後

Trans prisoner moved to female prison after year-long court battle

米国で男性用の刑務所に収容され、数年にわたって性的・肉体的暴力を受けてきたトランス女性の受刑者が、1年間の法廷闘争を経て女性用刑務所に移送されました。

このディオン・”ストロベリー”・ハンプトン”(Deon ‘Strawberry’ Hampton)受刑者は侵入窃盗の罪で懲役10年に処せられ、この4年間、全部で4か所の男性用刑務所に収容されていました。申し立てによると、彼女は他の受刑者と刑務所職員の両方から性的・肉体な虐待を受け、性奴隷のような扱いをされてきたとのこと。ある刑務官からは、虐待について口に出したらおまえは「消える」ことになるぞと脅されたりもしたそうです。

裁判の結果、ハンプトン受刑者はシカゴの160マイル南西にある女性刑務所、ローガン刑務所に移されました。判決ではまた、イリノイ州のすべての刑務官がトランスに関する追加教育を11月に受けることが義務付けられたとのこと。

トランス女性が男性用刑務所に入れられてひどい目に遭ったケースはこれが初めてではありません。以下、最近の例をいくつか挙げます。

他にもニカラグアで政治犯として逮捕されたトランス女性らが男性刑務所で虐待されてるとか、ブラジルでもトランス受刑者への差別と虐待が問題となって新しい規則が導入されているとか、そういうニュースはいっぱいあるんですよ。ちなみにGay Star Newsによれば、2015年に米国で実施された調査で、こんな結果が出ているそうです。

  • トランスの受刑者が刑務所職員から性的に虐待される率は、トランスではない受刑者の5倍
  • トランスの受刑者が他の受刑者から性暴力をふるわれる率は、トランスではない受刑者の9倍

なんか最近日本のTwitterで、英国で女性刑務所に入っていたトランス女性の受刑者カレン・ホワイト(Karen White)が他の女性受刑者をレイプした事件がやたらと注目されているようですが、ホワイトの事件について論じるならまず最低限上記のような事実ぐらいは知っておく必要があると思います。刑務所でトランス女性「が」加害者になったひとつの事件だけに注目して、多くのトランス女性受刑者たち「への」暴力には目をそむけ、「シス女性の安全のためトランスの人は『生物学的性別』の刑務所へ」みたいなことを言い出すのは、グロテスクでしかないよ。