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「放課後の忠犬」がいいですよ!
18禁エロ漫画。収録作9篇のうち、「散桜」「放課後の忠犬」の2篇がレズビアン物なんですが、個人的には「放課後の忠犬」が好きです。作者さんが巻末(p167)で、
逢魔のレズものは「痛みの共有」をテーマにすることが多いけど、これは正にそんな感じ。
とおっしゃっている通り、最後のページあたりにちょっと『猫飯』(フランス書院)の橋本さんと相原さんを思わせるような心のつながりを感じました。SM物でありながら、被虐加虐をキャラクタの性格に安易に直結させていないところもナイス。
でも、「散桜」は今ひとつ。
女子高生の卒業ものなんですが、シチュエーションがわりと平凡な上、結局たいしたドラマが起こらない点が今ひとつかなあ。計8ページ(うち6ページ半はエロシーン)の18禁漫画にドラマやストーリーを求める方が間違っているのかもしれませんが、力のある作者さんだけに、つい期待してしまうんですよね。ストーリーよりも日常の断片を垣間見るつもりで読むのなら、こういうのもありなのかも知れませんが、あたしにはちょっと物足りなく思えてしまいました。
その他の作品について
上記2作品以外はふたなり・女装・陵辱・ヘテロセックスが主体であり、ページをめくるとそのほとんどがちんこの林(あるいは森か?)という状態です。というわけで、純粋に女のコ同士の恋だけを目当てに買うなら、9本の収録作のうち「放課後の忠犬」「散桜」のわずか2本だけが収穫ということになります。10本中4本がレズビアン物だった『猫飯』と比べ、対費用効果的にはややキツイと思います。
まとめ
どちらかというとふたなりとヘテロセックス中心の1冊であり、レズビアン物は「箸休め」みたいな存在になっています。「放課後の忠犬」がかなり良かっただけに、残念。この作品にせめて前・後編とか計3話ぐらいの長さがあれば、もっと嬉しかったところですね。