石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『午後のQueen』(華瑠羅翔、茜新社)感想

午後のQueen〓 (にんじんダッシュコミックス)

午後のQueen〓 (にんじんダッシュコミックス)

あっけらかんとしたラブコメエロ漫画

18禁エロ漫画。一言で言うと「近親愛(姉弟・姉妹・継母と息子など)と女性同性愛を扱ったラブコメエロ漫画」です。男性主人公「政人」が姉・義母・恋人からモテまくるハーレム漫画でありながら、ガチなレズビアンキャラも登場しており、女性同士の愛やエロシーンにかなりの比重がかけられているところがユニーク。全体の雰囲気は終始コミカルで、特に主人公の姉・美絵子のハチャメチャな性格が楽しいです。タイトルの「Queen」とは美絵子のことであり、このキャラの魅力が作品全体の魅力となっていると思います。

惜しむらくは絵柄がちょっと古いことと、エロシーンがあんまりエロくないこと。まず絵の方は、Tシャツの裾がジーンズの中に入っていたり、パンツの股上が異様に深く、かつ裾がすぼまっていたりと、ファッションがほとんど80年代のノリなんですね。ヘアスタイルや顔の描き方も、かなり80年代テイストだと思います。もともとかなり古い(フランス書院版は1993年発行)作品だということを考えると、それも無理はないという気はしますが、茜新社版(1999年発行)だと表紙やカバー裏の絵と中身との間にずいぶんギャップがあることは否めません。

エロに関しては、全体的にあっけらかんとしすぎていて淫靡さがあまりないかと。SMや陵辱チックなシークエンスも登場するわりに、なぜかあんまりインモラルな雰囲気にならないんですよ。ただし、お話全体のトーンが明るいラブコメであることを考えると、これはこれでしっかり物語世界に調和しているとも言えます。「青年誌のH系ラブコメだとちょっと物足りないけど、あまりに濃厚な18禁エロ漫画は嫌」という方にはちょうどストライクゾーンど真ん中かもしれません。

まとめ

インセスト物かつレズビアン物の、軽めのラブコメ漫画です。絵柄が趣味に合うのなら、濃厚すぎないエロ作品を探している方には良い作品かと。個人的には美絵子がわりと好きなので、買って悔い無しでした。