石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『ときめきの引力』(大塚ぽてと、ワニマガジン社)感想

ときめきの引力 (ワニマガジンコミックス)ときめきの引力 (ワニマガジンコミックス)
大塚 ぽてと

ワニマガジン社 1998-02
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高校教師と女子生徒との、ゆるくてポリガマスな三角関係

18禁エロ漫画。高校教師千秋(♂)とその生徒一ノ瀬(♀)とのえちい関係を描く物語かと思いきや、途中から千秋も一ノ瀬も天然ボケの女性教師さくらに魅かれていき、「順列組み合わせ」的にさまざまな組み合わせの性愛(※女同士含む)が展開される、というちょっと変わった三角関係の作品です。

面白いのはキャラクタたちの嫉妬や独占欲が非常に薄いこと(つまり、非モノガマスなこと)と、かと言って千秋の両手に花で終わるハーレム展開や3P展開でもないこと。いや、途中までは千秋ひとりが一ノ瀬ともさくらとも存分にセックスを楽しんでいて、しかも一ノ瀬にもさくらとの仲を応援されたりしてて、「男ひとりでいいとこ取り」みたいなお話のようにも見えなくはないんですよ。ところが終盤、女ふたりが急接近し、しまいには千秋そっちのけで

さくら先生って…お菓子みたい

ここも

ここも全部やわらかくて……
すごくあまいの…

とか言って夢中でセックスし始める(しかも千秋の目の前で)(p176)ところがちょっと面白かったです。つまりこれって、「教師と生徒のヘテロ物」というかたちでスタートし、途中からレズビアン(またはバイセクシュアル)物の要素が加わり、最後の最後で寝取られ物(男性から見て)になって終わるわけです。途中までこれと同じ展開で、最後で3Pやハーレムになって男ウハウハで終わるエロ漫画はたくさんあると思いますが、これはちょっと意外でしたね。

絵とストーリーについて

先刻引用した台詞通り、女のコの裸が非常にやわらかく甘く可愛く描かれています。エロ漫画だけあってストーリーはあって無きが如しなのですが、この絵を見るためにだけでも買うっていう手はありだと思います。

まとめ

一言で言ってしまうと、「ゆるくてポリガマスでエロくて、最後は女性同性愛絡みの寝取られで終わる風変わりなラブコメ」。真正面から♀♀恋愛を描いているわけではないので、そういう意味では物足りませんが、ちょっとした「箸休め」的に気軽に読むには良い作品かと。あと、可愛い絵柄の女女エロがツボな方には、最終話の一ノ瀬とさくらの絡みがかなりおすすめです。