石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

PCゲーム『特命捜査官 真衣 〜身も心も堕とされて』(極フェロ)レビュー

特命捜査官 真衣 ~身も心も堕されて特命捜査官 真衣 ~身も心も堕されて

極フェロ 2008-04-25
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低価格SMレズゲー

特命捜査官「一之瀬真衣」が敵組織にとらわれ、女調教師「麗華」に調教されるという内容のSMゲーです。定価2980円と低価格ながらそれなりにHシーンが多く、鬼畜度よりねっちり度重視の責めも面白いです。妙なホモフォビアがないところも好印象。ストーリーはないも同然ですが、逆に言えばこれは「すぐオカズにありつける」という美点と考えることもできます。ただし、システムが使いづらい等の「安かろう悪かろう」的な部分もあることは否定できません。さらに、女体の構造がミラクルすぎたり、所々演出が変だったりと、エロ方面でもいくつか欠点はあります。総合すると、「廉価で手に入るオカズゲーとして割り切って買うならおすすめ」といったところでしょうか。

廉価なわりにこのへんはよし

調教シーンは18通り、CGは差分入れずに計35枚(※うち2割程度は男女エロ)と、値段のわりにはなかなかの充実度を誇ります。また、行為そのもののハードさより相手を精神的に陥落させることにウエイトを置いた、ねっちりしたプレイ描写も面白かったです。序盤からいきなり強引にレイプしたりせず、わざと途中で引き上げて「おあずけ」をくわせるとか、そういうかけひきをするんですよ、麗華は。あと、肉感的なキスのエロさなんかもよかった。

また、「『女に触られて』感じてしまうなんて」みたいな同性愛嫌悪的な台詞が皆無なところも好印象。あくまで「『こんな屈辱的な行為で』感じてしまうなんて」路線の、真衣のM属性の目覚めにウエイトを置いたシナリオなんですよね。「女同士であるがゆえの背徳感」とやらがお好きな方には、ちょっと物足りないかもですが。

ちなみにストーリーらしいストーリーはなく、ひたすら調教シーンが繰り返されるのみです。濃厚な愛憎関係なり「支配-被支配」の絆なりをお求めの方は、『エスカレーション-HARD CORE- DVDPG』を買った方が満足できるかと思います。しかし、「長々としたストーリーを読まなくてもすぐHシーンに到達できる」という点では、これは一種のメリットととらえることも可能かと。実際、たとえば『恋夏〜れんげ〜』のあのヘタレなストーリーを延々読まされてようやく百合エロシーンにたどりつくぐらいなら、こちらの方が断然いいと思います。

システムが「安かろう悪かろう」的

操作性が非常に悪いです。たとえば、セーブはいちいちツールバーをクリックしないとできない上に、時々クリックしても反応しなかったりします。試行錯誤の末、コンフィグを一旦開いて閉じるとまたセーブできるようになると発見しましたが、これがまた面倒で面倒で。また、バックログがマウスホイールで開けず、わざわざボタンクリックしなければならないところも不便でした。

時々絵とテキストが噛み合わなくなるところも残念。テキストではまだ起こっていない現象が絵では最初から描かれていたりして、演出効果がだいなしです。この値段のゲームに質を求めること自体がまちがっているのかもしれませんが、読んでいてたいへんストレスフルでした。

エロ方面の欠点について

エロゲにはありがちなことですが、女体の構造がミラクルすぎます。たとえば真衣のこのモノローグなんて、すごく変。

(注:ペットプレイで四つん這いで歩かされて悶えながら)四つん這いにしたのは、両太股の動きで少しずつクリトリスを刺激する役割もあったに違いない。

四つん這いで太腿にこすれるクリトリスっていったい。長さ10センチで「神田の左巻き」状態で左に曲がってでもいるんでしょうか。それとも真衣って、歩くだけで股ズレができるほどの大デブなんでしょうか。一般に男性目線で描かれたポルノグラフィでは女性器の描写がギャグみたいになっていることが多いものですが、これもその口ですね。

ちなみに麗華のこの台詞にも目が点になりました。

「女って……悲しい生き物よね……。どんな状態でも性的に感じちゃうもの……。」

ないない、それはない。そんなこと言うのは安っぽいポルノを鵜呑みにしてるバカ男だけ。せっかく女同士のエロシーンなのに、「女体に無知な男が女ぶって興奮してるだけ」に見えてしまいますよこれじゃ。

まとめ

「安かろう悪かろう」的な使いづらさやトンデモ感ただよう女体描写等、ひっかかるところも多いのですが、じっくりねっちりしたHシーンはそれなりに面白いです。肉感的なエロさもナイス。割り切ってオカズ用として買うなら、そこそこ元が取れるゲームなのでは。