石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『瞳のフォトグラフ(2)』(GUNP(杜講一郎×さくらあかみ) 、ソフトバンククリエイティブ)感想

瞳のフォトグラフ 2 (Flex Comix)

瞳のフォトグラフ 2 (Flex Comix)

カメラ入門漫画として絶好調、百合なサイドストーリーもマル

写真部に入った女子高生「ハルカ」の物語、第2巻。相変わらずカメラの面白さ・楽しさが力一杯伝わってくる漫画だと思います。インターミッションとしてさっくり描かれるシオリとユイ、ハルカとイヅミの2カップルもよかったです。

カメラ漫画としての『瞳のフォトグラフ(2)』

絵の力でレンズの違いを説明していくところがわかりやすくてとても良かったです。単焦点、広角と来て、マクロレンズのあの感動。なまじ写真を使って説明するよりはるかに理解しやすく、コンパクトデジカメ派に思わず一眼レフ購入を考えさせるぐらい説得力にあふれていると思います。

百合漫画としての『瞳のフォトグラフ(2)』

今回は、本編中のシオリは1巻ほど紋切り型のエロエロ誘惑者役をつとめてはいません。それはそれで嬉しいんですよ、もう『レズビアン=多情なセクハラ加害者』パターンはお腹いっぱいですもん。ただし、嬉しい一方で「カメラネタに集中して、百合っぽい部分は切り捨てたんだろうか」という一抹の不安も生じはしたのですが、ありがたいことに、それは完全な杞憂でした。

まず、番外編的な第10話「そんなアサ」で描かれるシオリとユイの関係が、なかなかよろしゅうございました。ほんのりと微エロでかわいらしくて、オチも微笑ましくて。さらに、1P漫画をたくさん集めた「幕間 たとえばこんな日常」のイヅミもよかったです。あのクールなイヅミが、ハルカの一言一言にいちいち反応してこっそりあんなことやそんなことをしてしまうという展開がたまりません。ハルカとイヅミは相変わらず友情路線まっしぐらであり、恋愛要素はないのですが、頬染めたイヅミの表情はどこまでも百合百合しく、キュートでした。

その他

あの謎めいたキャラが少しずつ前面に出てくることで、物語がゆっくりと動き出しています。流れの中でハルカとイヅミの友情がどう盛り上がっていくのか、今後の展開に期待。

まとめ

カメラ漫画としても微百合漫画としても楽しく読めました。1巻よりおすすめ。