石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

レズビアンのスノボ豪代表が露の反同性愛法を批判

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スノーボードのオーストラリア代表でレズビアンのベル・ブロッコフ(Belle Brockhoff)選手が、ソチ五輪に向けてロシアの同性愛宣伝禁止法を痛烈に批判するメッセージを発しています。

詳細は以下。

Lesbian Olympian Belle Brockhoff 'willing to rip on [Putin's] ass' - Outsports

ブロッコフ選手は1993年生まれの21歳。2013年の夏、ソチ五輪に先立ち、「ほんとうの自分を誇りに思いたいし、オリンピックに出るためにしてきたすべての努力を誇りたい」と言ってカミングアウトした人です。彼女の今回の発言を訳すと、こんな感じ(以下、Outsportsより引用)。

「競技が終わったあとに、喜んであの野郎(訳注:ロシアのプーチン大統領のこと)の悪口を言ってやる」と彼女は語った。「わたしはハッピーじゃないし、同じようにハッピーじゃない五輪選手はたくさんいます」

"After I compete, I'm willing to rip on his ass," she said. "I'm not happy and there's a bunch of other Olympians who are not happy either."

もっとも彼女はこの後、twitterで「"willing to"(してもかまわない)は"I will"(本当にそうする)という意味じゃないのよ、ははは」と書いてはいます。そりゃそうだ。でも、その一方で彼女はこうも言っています(以下Outsportsより引用)。

「わたしがする最大のことは、根本原則6を表すために6本の指を立てることです。おそらく、あちこちのカメラの前でやるでしょう。わたしの競技の予選が終わった後にやるかも」

"The most I'll do is hold up six fingers to represent Principle Six. Possibly I'll do it on camera here or there, and maybe after the heats of my event."

ここでいう「根本原則6」とは、オリンピック憲章における「オリンピズムの根本原則」の6のことです。どんな内容なのか、以下、JOC - オリンピズム | オリンピック憲章からちょっと引用してみます。

6 オリンピック・ムーブメントの目的は、いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解しあうオリンピック精神に基づいて行なわれるスポーツを通して青少年を教育することにより、平和でよりよい世界をつくることに貢献することにある。

実はこの根本原則6にのっとり、ロシアのアンチゲイな法律に抗議しようと呼びかける動きがあるんですね。たとえばPrinciple 6 Campaignでは、SNSのアイコンを変えたり「Principal 6」と書かれたTシャツを着たりすることで根本原則6の支持を表明しようと呼びかけています。またAll Outのアンドレ・バンク氏は、指を6本立てるというアピールの仕方を示唆しています。ブロッコフ選手が言っているのはこれのことですね。

ソチ五輪を見る楽しみがまたひとつ増えました。オリンピックの中継を見ていて、ブロッコフ選手に限らず、選手や観客で指を6本立てている人がいたら、それは「根本原則6を支持する(=ロシアは同性愛差別をやめろ)」という意思表明なわけです。さすがのロシアも「オリンピズムの根本原則を支持したら逮捕」とは言えないだろうし、うまい手を考える人もいるものですね。

ちなみに、ブロッコフ選手というのはこんな人。いい筋肉だなあ!(とくに脚!)

Brockhoff racing out of the gates | AUS Olympic ...