石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

米シアトル初の「異性愛者パレード」、参加者ゼロ人を記録

f:id:miyakichi:20140709200104j:plain

2015年7月25日、米国ワシントン州の男性ブロガーが、首都シアトルで初の「異性愛者パレード」を開催しました。しかし当日の参加者はゼロで、一人で行進することに。参加者が来なかったのはゲイのせいだと彼は主張しています。

詳細は以下。

This Heterosexual Pride Parade Could Not Have Failed Any Harder Than It Just Did

この男性、アンソニー・レベロ(Anthony Rebello)氏は、同パレードの公式Facebookページで数千人を招待し、以下のように主張していました。

どんな人にも自分の選んだ生き方を祝福する権利があります。人が異性愛者でいる権利を祝福し、異性愛者の若者たちに異性愛を誇りに思うよう勇気づけるため、および平等な権利の名においてこのイベントを創設しました。

We all have the right to celebrate the way of life we have chosen for ourselves. In the name of equality & equal rights, I have created this event to celebrate our right to be heterosexual, and to encourage younger heterosexuals that they should be proud of their heterosexuality (:

Facebook経由での招待に「参加予定」と答えた人の数は167人。しかし当日蓋を開けてみたら、レベロ氏以外の参加者はゼロだったんですって。

以下、ひとりでプラカードと風船を持ってパレードするレベロ氏の姿。風船の色が白と黒なのは、レインボーカラーに対抗するため?

参加者がいなかった理由を、レベロ氏はFacebookで以下のように説明しています。

異性愛者の多くは、写真を撮られたくないんだ。LGBTコミュニティーが怖いからだ。LGBTの人たちがわたしをどう扱ってきたかを見てくれ(固定されたポストを)。怒れる同性愛者のリストができあがっている。この人たちは、同性愛者のコミュニティーの妨げになることしかしていないのだ。

A lot of heterosexuals don't want their pictures taken because they are scared of the LGBT community. Look at the way they have treated me (pinned post) A list of angry gay people has been created, and those people have done nothing but embarass the gay community.

何もかも壮大な冗談なのか、それとも大真面目にやっているのか判断に苦しむところですが、ひとつだけ確実に言えるのは、「誇りを傷つけられたことのない人には、誇りを表明する必要すらない」ってことです。既に全方位から認められ、当たり前と見なされていることを、今さらパレードまでしてアピールしようという人はそりゃ少ない(世界中にまったくいないとまでは言いませんが)でしょうよ。……と思ったら、PinkNewsのコメント欄に、このことをもっと的確に言い当てた文章の画像を貼っている人がいました。同じ画像をTwitterで見つけたので、紹介しておきます。


(訳:『ゲイ・プライドはゲイであることを祝福する必要があったから生まれたのではなかった。われわれが迫害を受けずに生きる権利が必要だったから生まれたのだ。だから、どうして異性愛者のためのプライド運動がないのかと不思議に思うのではなく、自分たちにはそれが必要ないことに感謝すべきだ』)

ちなみにこのレベロ氏、このパレードに関して、自身のブログで6月27日に以下のようなことを書いていたりします。

結婚について自分が思うことは以前この「結婚」というエントリに書いた。イベントもつくった。異性愛者パレードだ。ゲイ・マフィアだって? たぶん動物も結婚を認められるべきかもな? 動物も政治をして、税金を払うのかね? それはそれとして、昆虫のための平等の権利はどうなる? 自分の意見では、男と女の間には違いがあるんだ。その違いの良さがわからなければ、違いを楽しむことはできない。男の子が女の子になることには賛成しないし、女の子が男の子になることにも賛成しない。「プライド」ということばやその意味は、ゲイ/LGBTのものではなく、みんなのものだ。言わせてもらえば、自分が見る限り、大人の男にならない男もいれば、大人の女にならない女もいるようだ。クッソ馬鹿馬鹿しいぜ。

I have previously stated how I feel about marriage in this post: MARRIAGE. I have also created an event: Heterosexual Parade Gay Mafia? Maybe animals should be allowed to get married? Would they govern and tax them too? While they're at it, how about equal rights for insects? In my opinion, there is a difference between a man and a woman. If you can't appreciate those differences, you can't enjoy those differences. I don't agree with boys turning into girls, and I don't agree with girls turning into boys. The word/meaning of "Pride" doesn't belong to the gay/lgbt community, it belongs to everyone. That includes us good old fashioned straight people. The way I see it, in my opinion, some boys never turn into men, and some girls never turn into women. What a shitshow.

同性愛者を動物や昆虫と同列扱いした上に、トランスジェンダーと同性愛の区別もつかないトンチキっぷり。このような見解のもとに企画された「異性愛者パレード」に参加するということは、この意見への同意表明と受け取られかねないわけで、誰も来ないのは当然の結果だったのでは。

公式Facebookページを見る限り、レベロ氏は懲りずに来年もまた「異性愛者パレード」を開く模様。たぶん参加者ゼロ記録を更新するだけだと思いますが、いつまでやるんでしょうね、これ?