石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

東京・世田谷区が同性カップルを認める公的書類発行へ

Carrot Tower
Carrot Tower / Dick Thomas Johnson

東京都世田谷区が2015年7月29日、同性カップルのパートナー関係を承認する公的書類を発行すると定めた要綱案を区議会に報告しました。渋谷区と違い公正証書は不要で、11月をめどに発行する方針とのこと。

詳細は以下。

東京新聞:同性カップル 世田谷も「公認」 区が公的書類発行へ:政治(TOKYO Web)

要綱案によると、同性カップルが区にパートナーであることを宣誓し、区が押印した宣誓書の写しと、受領の証書を交付する。宣誓するには、双方が二十歳以上で区内に居住するか、一方が区内に住み、もう一方が転入を予定していることなどが条件。区が十年間、宣誓書を保管する。

要綱案にはこの書類の具体的効力は明記されていないとのことで、区議と区の間でこんなやりとりも出ています。

この日開かれた区議会区民生活常任委員会では、区議が「宣誓書を見せれば、事業者が対応をするといった具体的効果を考えなければ理念にとどまるのでは」と質問。

区側は「性的少数者に基礎自治体が向き合い、啓発の第一歩となることに意味がある」と要綱の意義を強調した。

これを読んで、北丸雄二さんのこちらのツイートを思い出しました。

世田谷区もこの「第一歩」で止まらずさらに前進していくよう、祈っています。

今回の世田谷区の方針で画期的なのは、渋谷区の同性パートナーシップ証明とは違い、公正証書が不必要であること。異性カップルは無料で婚姻届けを出せるのに、同性同士のときだけ何万円もかかる公正証書を要求するというのは不公平ですからね。できたらこの制度、ジェンダーの組み合わせを問わず(つまり、異性同士etc.でも)利用できるようにするともっといいんじゃないでしょうか。「異性同士なら結婚制度を使え」で片付けるのはやっぱり変、選択の権利はあってしかるべき。さらに言うと、パートナーとの生活の軸が必ずしも恋愛や性愛である必要はないので、たとえば異性愛者の同性同士の友情共同生活も「家族」として守られるようにできるといいなー。……と、夢は広がるのですが、まずはこの「第一歩」の波及効果やバックラッシュがどうなるかを見守るところからですね。狙い通りうまく啓発が進むといいんだけど。