米国バージニア州のケンタッキーフライドチキン(KFC)の店長が、一旦採用した女性がトランスジェンダーだとわかったとたんに首にしてしまいました。KFC公式Twitterは、同社は差別を許容しないと表明し、この店長を解雇したと発表しています。
詳細は以下。
KFC Responds To Woman Being Fired For Being Trans | NewNowNext
abc13.comによると、この店の店長はごく簡単な面接試験でジョージア・カーター(Georgia Carter)さん(27)の採用を決め、翌日から研修を始めると言っていたとのこと。にもかかわらず、カーターさんはそれから1時間もたたないうちに採用を取り消されてしまいました。理由は、彼女の外見上の性別と、運転免許証に記載されている性別が違っていたから。
店長はカーターさんのところに電話をかけてきて、免許証との食い違いにスーパーバイザーともども困っていると言い、「あなたにどちらのトイレを使わせていいのかわからないから」雇えないと言ってきたのだそうです。
この一件が報道されたのが2016年2月27日。3月1日に、KFCは公式Twitterアカウントで以下のように発表しました。
@elielcruz KFC will not tolerate discrimination. The franchisee terminated this manager & Ms Carter was offered a job at any Richmond KFC
— KFC (@kfc) 2016年3月1日
訳:「KFCは差別を許容しません。該当するフランチャイズ加盟店は、この店長を解雇しました。カーターさんには、リッチモンドのどのKFCでも仕事を提供すると申し出ました」。
当たり前といえば当たり前の対応ですが、できれば再発防止のためのプランも合わせて発表してほしかったと思います。いくら上層部が「差別を許容しない」と述べたところで、末端の働き手に適切な教育やトレーニングをほどこさない限り、似たような事件は何回でも起こり続けるでしょうから。
それに第一、これってそもそも店舗に誰でも入れるタイプのトイレ(ジェンダー・ニュートラルなトイレ)を設置しておけば最初から起こりようがなかった問題ですよね? そう考えると、ますます人ひとり解雇しただけで終わりにしていい問題ではないのでは。「我が社はこれまでこのような取り組みをしてきました。今の課題はこうで、それに対してこう対処していきます」のような具体的声明を発表してくれたら、KFCの株はもっと上がったろうにと思いました。