石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ゲイを「処刑」せよと主張したフロリダの学校長、2週間の停職処分に

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米国フロリダ州の私立学校「センター・アカデミー」の校長が、同性愛者は「病気」であり「処刑」するべきだとFacebookで主張したため2週間の無給停職処分となったそうです。

詳細は以下。

Florida Principal's Facebook Post: Gays Should Be 'Put to Death' | Advocate.com

この校長、スティーヴ・ケニー(Steve Kenney)氏は、同州オーランドのゲイクラブ「パルス」で6月に起こった銃乱射事件の後、ゲイ・プライドを示す目的でネットに掲載された同性同士のキス写真について、同性愛者は「病気」であり、「処刑」すべきだと聖書を引用してFacebookで主張したのだそうです。

ゲイクラブで49人も殺された事件の後に、ゲイは処刑すべきだと言ったんですよ。同じフロリダ州の、よりにもよって教育者が。

センター・アカデミーは失読症や自閉症スペクトラム、ADHDなどの子供たちを対象とした特殊教育校で、学校のWebサイトには「わが校は子供たちの自尊心、自己概念、自信を高めます」などと書き連ねられています。しかし、このような主義主張の校長のもとで、いったいどんな自尊心が育てられるというのでしょうか。たとえ自分がゲイではなくても、「病気」とみなされた人間は殺していいのだと刷り込まれるのは、子供たちにとってマイナスにしかならないでしょうに。

ケニー氏が批判したキス写真の主は、LGBT関連のスポーツニュースサイト、Outsportsの編集者Cyd Zeigler氏でした。Zeigler氏はケニー氏がセンター・アカデミーの校長だと知り、同校に連絡。7月21日になってようやく、同校のCEO、アンドリュー・ヒックス(Andrew Hicks )氏から以下のような声明が出されたとのこと。

当校では、当校の従業員が最近、6月半ばにFacebookに投稿した個人的意見に映し出された見解または価値観を黙認することも、それらに同意することもいたしません。傷つき、または気分を害されたあらゆる方に対し、センター・アカデミーを代表して心よりお詫び申し上げます。

"We?do not condone nor agree with the views or values reflected in the recent personal Facebook statements posted by an employee of our school in mid-June.? On behalf of Center Academy, we extend our sincere apologies to anyone who was hurt or offended by them.

ヒックス氏によれば、ケニー校長には2週間の無給停職処分と、多様性トレーニングおよび専門家によるカウンセリングを受けること、個人のFacebookアカウントを完全に削除することなどが申し渡されたそうです。

しかしながら、同性愛者の教師が単に同性愛者であるというだけの理由で解雇され続けている(例多数)一方で、ゲイを殺せと主張する校長はたった2週間の停職だけで済むというのはあまりにも不公平だと思います。社会全体がヘイターの方に味方をしているわけで、こんなことだからゲイクラブで大量殺人が起こったりするのでは。ハーヴェイ・ミルクがProp 6と戦った時代よりはそれでもまだマシなのかもしれませんが、しみじみと「日暮れて道遠し」といった気分になってます、今。