米国のとある女性同士のカップルの婚約写真が、ネットで話題を呼んでいます。ひとりが『美女と野獣』のベル、もうひとりがシンデレラの衣装に身を包んでの、フェアリーテイル婚約写真なんです。
詳細は以下。
This Couple's Princess Engagement Pics Are A Modern-Day Fairytale | Huffington Post
写真(の一部)はこちら。上記リンク先にはもっとたくさんありますよ。
💖 This couple's princess engagement pics are a modern-day fairytale 💖 https://t.co/9wnUUKoRu9 pic.twitter.com/dpqRrlgXXI
— Huffington Post (@HuffingtonPost) 2016年9月29日
このふたり、ヤロンダとケイラ・ソルセン(Yalonda and Kayla Solseng)さんは2016年6月に婚約し、9月に結婚しているとのこと。ふたりとも2年半前に交際開始したころから、おとぎ話が重要な要素をなすTVドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』の大ファンで、プロポーズもおとぎ話がらみだったのだそうです。なんでも、ヤロンダさんが自作の絵本をケイラさんにプレゼントし、こう言ったんだそうですよ。
「わたしのハッピリー・エバー・アフターになってくれませんか?」
’Will you be my happily ever after?’
これで婚約の運びとなり、上記写真が撮られたわけ。いいねえこういうの。お幸せに。
同性間のこういうちょっと変わったプロポーズ(ディズニープリンセスは稀でも、フラッシュモブとかよくあるじゃない?)を冷笑したがる人も少なくないことは知っていますが、そういう人を見るたびにいつもあたしが思い出すのは、高校時代に親戚の昭和一桁生まれの婆さんから言われた言葉。ある日婆さんと一緒に買い物に行って、深紅のサテンのスカジャンを手に取って「これ買おうかなー、でも派手すぎて婆さんが嫌がるかなー」と思っていたあたしに、当の婆さんはこう言ったんですね。
「買いなさい買いなさい、どんどん着なさいそういうの。アタシの若いころはね、『敵機に狙われるから』と言われて赤い色の服なんか着られなかったんだよ。赤どころか白さえダメだったんだ。婆ちゃんが買ってやるから、それ着なさい!」
それで本当に買ってもらったんですよ。背中に虎の刺繍がついてる、本当に頭が悪そうな真っ赤っ赤のスカジャンを。婆さんの同級生がひとり、米軍機からの機銃掃射で亡くなっていたと知ったのは、それからずっと後のことです。
同性カップルのこういう派手派手しいイベントを見るたびに、あたしが「いいぞもっとやれ」と思ってしまうのは、たぶんあのときの婆さんと同じ心境なんだと思います。米国同性婚訴訟の原告、イーディー・ウィンザーさんが1967年にパートナー(当時*1)のシーアさんからプロポーズされたときには、周囲に関係を知られるリスクを恐れて、指輪さえ交換できなかったんですよ。そこから約半世紀経ってようやく、たとえプリンセスドレスの婚約写真をネットで発表しても殺されたりしない時代が来たんです。誰がなんと言おうと「やりなさいやりなさい、どんどんやりなさいそういうの」と言い続けさせてもらうわよ、あたしゃ。