米紙「ニューヨーク・タイムズ」がトランプとプーチンをゲイの恋人同士に見立てて嘲笑するアニメーションを発表し、ホモフォビックだと批判されています。
詳細は以下。
ニューヨーク・タイムズは、このアニメーション「トランプとプーチン:愛の物語」("Trump and Putin: A Love Story")で、トランプとプーチンの関係をティーンエイジャー同士の「禁じられたロマンス」("forbidden romance")として描写。トランプが実際にプーチンをほめたたえる発言をしたときの音声をかぶせながら、ふたりがデートに出かけ、レインボーを背景にしてユニコーンの背中に乗ったり、舌をからませてキスしたりするさまを描きました。
In this episode of Trump Bites, Donald Trump’s not-so-secret admiration for Vladimir Putin plays out in a teenager’s bedroom, where the fantasies of this forbidden romance come to life. https://t.co/h5gpVJzj69 pic.twitter.com/f4aBEOfRYt
— NYT Opinion (@nytopinion) 2018年7月16日
Slateは、NYTはアドルノ(Theodor Adorno、同性愛はファシズムと関連があると提唱)やマッカーシー(Joseph McCarthy、同性愛者は民主主義の敵だとして公職から追放)と同じことをしているとしてこれを批判。Voxも、「おもしろくない。ホモフォビックだ」、「偏見は絶対に認められてはならない、たとえ他の偏見にカウンターするためでもだめだ」と主張。トランプとプーチンの関係は、これまでコメディ番組などでもたびたびゲイ扱いされて揶揄されてきたのですが、Voxはそのような「ジョーク」は「同性愛者を卑しめ、ゲイであることを笑いのネタにすることによってのみ成り立つ」ものであると一刀両断しています。
Teen Vogueではこれら以外のメディアや識者からの意見も広く紹介されていて、このアニメーションの何が問題と言われているのか把握しやすいと思います。また、Twitterを"trump putin gay "で検索してみても、この動画の炎上っぷりがよくわかるかと。
それにしてもニューヨーク・タイムズって同性婚なんかには比較的好意的な新聞だったと思うけど、それでもツルッとこういうことはするのねー。今ちょっと調べたら、同紙は1992年の記事で『氷の微笑』や『羊たちの沈黙』を引き合いにして、ハリウッドが同性愛者を悪役や愚か者のステレオタイプとして便利に使うことを批判していたようです。そこから26年経って、今度は自分たちが率先して「ヴィランたるあいつらを滑稽なゲイとして嘲笑しよう」という趣旨の動画を発表しちゃうってのはどういうわけよ。問題はプーチンもトランプがキスしているかどうかじゃなく、共謀しているかどうかだろうに、何か勘違いしてるんじゃないのこの新聞。