2020年5月24日、動画配信サービス「Disney+」が欧州上陸。映画『スプラッシュ』(1984)の配信でダリル・ハンナのお尻が画面に入らないよう編集されたバージョンが使われていることが発見され、ディズニーの保守性が改めて批判されています。
詳細は以下。
『スプラッシュ』は、ロン・ハワードが監督したコメディ映画。ニューヨークの青年アレン(トム・ハンクス)が、人の姿を得た人魚(ダリル・ハンナ)と恋をするというお話です。オリジナル版では、人魚が水から上がってくるシーンでダリル・ハンナのお尻が後ろから映されていました。が、少なくとも欧州のDisney+では、そのお尻が見えないようリフレームされたバージョンが採用されていたとのこと。比較画像は以下をどうぞ。
#DisneyPlus censura el culo desnudo de Daryl Hannah en ‘1, 2, 3... Splash’ https://t.co/9WyZqpvz4V #LGTB #COVID2019
— EL ESPAÑOL (@elespanolcom) March 25, 2020
これについて単純に米国の無料のTVチャンネルで流せるバージョンを使っただけだという意見もある一方、El Españolは、この会社が「あまりにも保守的すぎる」のは以前からのことだという見解を表明しています。というのは、(情報が遅い自分は今の今まで知らなかったんですが、)Disney+は一旦制作発表していた『Love, サイモン』のドラマ版を、「Disney+の家族向けコンテンツにはそぐわない」という理由でキャンセルしてしまっていたから。あと、同社による「家族向けではない」という理由でのキャンセルは、それが初めてでもないらしいから。
じゃあこないだのショートフィルム『Out』は何だったんだって話だよねえ。ひょっとしたら「大人のゲイは見せてもいいが、女性の体や子供の同性愛は『家族向け』ではないからダメ」みたいなポリシーでもあるんでしょうか。それならそれで、せめて家族ひとりひとりのアカウントごとにフィルタリングの設定を変えられるようにするとか、そういう細やかな対応をするわけにはいかなかったんでしょうか。このぶんだとDisney+が日本でサービス開始してもあんまり期待できない(うちは大人ふたりの家族なのに、『Disney+が考えるところの』子供向け路線に編集され直したものしか見られないなんて冗談じゃない)し、見たい映画はブルーレイなりDVDなりで手元に保存しておくのがいちばん手堅いかなあと思っているところです。